来年3月末に変更、日中関係当局の審査完了になお時間
ANAホールディングス(HD)と日本郵船は6月10日、ANAHDが日本郵船傘下で航空貨物輸送を展開している日本貨物航空(NCA)を株式交換で買収する時期について、公表していた今年7月1日から2025年3月31日に先送りすると発表した。
ANAHDは当初、NCAを昨年10月1日付で子会社化する計画だったが、既に3回変更しており、4度目の延期となる。
ANAHDと日本郵船は時期変更について「日本および中国の関係当局による企業結合審査の完了までに要する時間などを勘した」と説明している。
NCAは2010年に日本郵船の完全子会社となったが、運航・整備体制拡充のための機材更新や人員育成に多大なコストを要することなどが課題となっていた。
日本郵船はANAHDヘの譲渡で中核の海運事業に経営資源を集中させるのが狙い。ANAHDはNCAを取得し、航空貨物事業の強化につなげたい考え。
(藤原秀行)