HIEN、長時間飛行可能な次世代型eVTOLへのイークラウド通じた資金調達募集を7月11日開始

HIEN、長時間飛行可能な次世代型eVTOLへのイークラウド通じた資金調達募集を7月11日開始

ガスタービン発電機を双発で搭載、最大航続距離180km目指す

株式投資型クラウドファンディングサービスを行うイークラウドは6月28日、新たにHIEN Aero Technologies(ヒエンエアロテクノロジーズ、東京都小金井市)のハイブリッドeVTOL(空飛ぶクルマ)に関して、投資申し込みの受け付けを開始すると発表した。

期間は7月11日の午後7時半から7月28日までの予定。目標募集額は3000万円、上限募集額は9990万円と設定している。

HIENが開発しているハイブリッドeVTOLは「小型軽量な航空機用エンジン」と「eVTOLのシンプルな構造」をそれぞれ良いとこ取りしたような仕組みと説明。航空用ガスタービンエンジンで発電し、その電力で小型プロペラを駆動して浮上・推進する「シリーズ(直列)式ハイブリッド」になっており、バッテリーの充電・交換といった手間から解放され、バッテリー重量の制約を低減させることで飛行時間と積載量を増やすのを目指している。

有人飛行の前段階としてHIENが現在手掛けているのが大型ドローン「HIEN Dr-One」。ガスタービン発電機「DRAGON」を双発で搭載し、最大貨物積載量20kg、最大航続距離180kmを想定して製品化を進めている。

今年3月には試験機「HIEN Dr-One V2」がガスタービンハイブリッドeVTOLとして自律浮上に成功した。同社によると日本で初めて、世界でも2番目という。

HIEN社今回の資金調達後、海外製品販売などで収益を安定化させながら大型ドローン「HIEN Dr-One」とガスタービン発電機「DRAGON」の開発に注力し、今秋に「HIEN Dr-One」の長時間飛行(ホバリング状態)を検証する実証実験を行う計画。

今後、本格化していく次世代空モビリティをめぐる法整備や社会受容性の議論にはHIEN社長で法政大学教授の御法川学氏が中心となり、アカデミアの世界から環境整備の提案を行っていく計画。徐々に機体の大きさを上げるスケーラブル開発を続け、最終的な主力製品と位置付ける6人乗りeVTOL「HIEN 6」の市場投入を目指す。

(藤原秀行)※いずれもイークラウド提供

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