帝国データバンク調査、建設・物流業で全体の4割占める
帝国データバンク(TDB)は7月4日、「人手不足倒産」の動向に関する調査結果を公表した。人手不足倒産は法的整理(倒産)となった企業のうち、従業員の離職や採用難などで人手を確保できなかったことが要因となった倒産と定義している。
人手不足倒産は2024年上半期(1~6月)に182件発生しており、年間では過去最多を大幅に上回るペースで推移している。
建設業は53件、物流業は27件と年上半期としてはそれぞれ過去最多を記録しており、両業界で2024年4月から運転業務や建設業務の時間外労働に上限規制が適用され、労働力が不足する「2024年問題」が直撃していることがうかがえた。物流業は昨年同時期の15件から2倍近くになっている。
「従業員10人未満」の企業が全体の約8割を占めている。TDBは就業者数の増加が続いて人手不足はやや落ち着きをみせているものの、人手不足感は依然高水準で推移していることから「今後も小規模事業者を中心に倒産に追い込まれるケースが増加する可能性がある」と警鐘を鳴らしている。
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24年上半期の人手不足倒産は前年同期の110件から6割超の大幅増加を記録。統計としてさかのぼることが可能な2013年以降の最多件数を2期連続で更新した。特に「従業員10人未満」の小規模事業者の人手不足倒産は全体(182件)の約8割に相当する143件(前年同期84件)に達した。
(藤原秀行)※いずれもTDB提供