ネットゼロ・エミッション達成に向け導入拡大図る
商船三井は7月10日、自社が建造しグループの商船三井ドライバルクが運航するウインドチャレンジャー(硬翼帆式風力推進装置)搭載の64型ウルトラマックスばら積み船「Green Winds(グリーン ウインズ)」が同日、大島造船所で竣工したと発表した。
商船三井グループのウインドチャレンジャー搭載済み・予定の船計9隻のうち、本船は2隻目の竣工船。同社によると、クレーン搭載船へのウインドチャレンジャー導入は世界で初めてという。
ウインドチャレンジャーは、商船三井と大島造船所が中心となり開発した、伸縮可能な帆によって風力エネルギーを船の推進力に変換する装置。ウインドチャレンジャーを搭載することで、本船は航路などの条件次第で約7~16%の燃料節減と温室効果ガス排出削減効果が見込める。
商船三井は「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」で2050年までのネットゼロ・エミッション達成を目標に定めており、その達成に向けた主要戦略の1つに「さらなる省エネ技術の導入」を設定。その一環として、ウインドチャレンジャー搭載船を30年までに25隻、35年までに80隻投入することを盛り込んでいる。
(藤原秀行)※いずれも商船三井提供