878t購入確約、脱炭素化加速
香港のキャセイパシフィック航空は7月22日、企業向けの環境負荷が低い航空燃料SAF普及プログラムで、新たにドイツの物流大手DBシェンカーが参加すると発表した。
DBシェンカーはCO2排出削減へ878tのSAF購入を確約。同プログラムで最大の貢献者になる見通し。
(キャセイパシフィック航空提供)
同プログラムは気候変動対策への取り組みとして2022年スタート。会員は香港国際空港および就航地の空港からキャセイパシフィックやキャセイカーゴのフライトに使用するSAFを購入することができる。
DBシェンカーは2020年から輸送の一部にSAFを採用しており、同プログラムに参加することでさらにSAF利用を広げる。
キャセイパシフィックは2030年までに全使用燃料の10%にSAFを使用することを目標に設定している。
キャセイグループはまた、アジア太平洋地域におけるSAFの開発と利用を促進し、航空業界の脱炭素化におけるSAFの中心的役割を強化するため、シンガポール航空とサステナビリティに関する幅広い取り組みで協力する覚書を締結した。
締結に先立ち、キャセイカーゴはより燃費効率の良い次世代大型貨物機A350Fの受注を確定した。
DBシェンカーとの協定に基づき使用するSAFは、廃食用油と動物性油脂から製造。航空会社はSAFを使用したフライトによるCO2排出(スコープ3)の削減量を証明する書類をプログラム参加メンバーに発行している。
使用される燃料の原料や製造工程にもよるが、SAFは従来のジェット燃料と比較して、ライフサイクルベースで温室効果ガス排出量を80%以上削減することが可能になると見込まれている。
(藤原秀行)