日本郵船がグループ初、風力推進アシスト装置の搭載完了

日本郵船がグループ初、風力推進アシスト装置の搭載完了

翼の気圧差が生み出す推進力活用、温室効果ガス削減見込む

日本郵船は7月23日、グループでベルギーに拠点を置くNYK Bulkship(Atlantic)(NBAtlantic)が保有するばら積み船「NBA MAGRITTE(エヌビーエー マグリット)」への風力推進アシスト装置の搭載工事が7月8日、オランダ・ロッテルダム港で完了したと発表した。

同船は米穀物メジャーCargill (カーギル)との長期定期傭船契約に投入する予定。風力推進アシスト装置を船舶に搭載するのは同社グループで初めて。

搭載したオランダのEconowind(エコノウィンド)製の風力推進アシスト装置「VentoFoil」(ヴェントフォイル)は全長20フィート(約6m)のフラットラック(一部の壁や天井がないコンテナ)を土台に、船上に約16mの翼を立ち上げ、サクション・セイル(吸引帆)の役割を果たし、吸引することで約5倍の力を生み出す。2基搭載している。


搭載した2基の「VentoFoil」

「VentoFoil」は翼の両面の気圧差で推進力を生み出すことで、温室効果ガス削減効果を見込んでいる。ブリッジ(船橋)に取り付けたタッチパネルを操作すれば容易に起動と格納ができるため、乗組員の負担を増やさず作業できるとみている。

翼の折り畳みは5~6分で完了する。折り畳んだ状態で荷役作業が可能。

NBAtlanticはカーギル・インターナショナルや、輸送に関する研究開発を行う日本郵船グループのMTIと共同で、航海中の気象・海象や本装置が生み出すスラスト(推進)力などのデータを集め、効果検証を進める。

(藤原秀行)※いずれも日本郵船提供

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