30年までに全体で46%削減目指す
パルシステム連合会は8月16日、生活協同組合パルシステム東京の配送拠点「昭島センター」(東京都昭島市)で2023年度、電気由来のCO2排出量を100%削減したと発表した。
太陽光パネルを活用した自家発電や省エネ型冷蔵・空調設備の導入などに加え、小水力発電所が生み出した脱炭素の環境価値を証書で購入、カーボンオフセットでCO2排出量を相殺した。
パルシステム東京は2030年までにトータルのCO2排出量を13年度比で46%削減したい考え。
昭島センターの屋上には7割以上の面積に太陽光パネルを設置して生み出した電力を自家消費。一部緑化によるヒートアイランド抑制や断熱性向上による省エネ効果も生んでいる。
構内の冷凍・冷蔵設備には省エネ型自然冷媒や温度管理システムを導入し、LED照明の全面導入など電気使用量削減を強化している。
さらにグループ初となる委託協力会社のEV(電気自動車)トラック本格導入で、都内の17センターをはじめ、グループ全体の環境負荷の軽減施策をけん引している。
グループ初本格導入の昭島センターEVトラック
センター内での省エネ化でもゼロ換算まで削減できなかった分は、那須野ヶ原土地改良区連合(栃木県那須塩原市)小水力発電所の環境価値を証書化した「非化石証書」を購入してカバーした。
同発電所は地域内に張りめぐらされている農業用水路の高低落差を利用して発電している。パルシステム東京の利用者や役職員の視察などを積極的に受け入れ、長年交流をしているという。
2023年の小水力発電施設見学の様子(いずれもパルシステム連合会提供)
パルシステム東京はグループ最大生協として、削減目標達成に向け環境負荷の軽減をけん引する方針で、各事業所への自家消費型太陽光発電設備導入や配送コース見直しによる効率化を通じたCO2排出量削減など、グループ各組織とともに事例を積み上げ、目標達成を目指す。
(藤原秀行)