日本郵船など5社、舶用発電機の省エネ技術で実証試験

日本郵船など5社、舶用発電機の省エネ技術で実証試験

約10%の効果確認、安全航行も可能

日本郵船とMTI、大島造船所、寺崎電気産業、ダイハツディーゼルの5社は8月20日、2023年4月~24年4月にかけて、日本郵船が運航するばら積み船「WHITE PRINCESS」で、発電機の周波数を状況に応じて下げ、省エネ効果を生み出せる「Hz Naviシステム」(ヘルツナビシステム)の実証試験を行ったと発表した。

実証試験では、Hz Naviモード(約57Hz)を起動した状態での燃料消費量の計測と安全性評価を実施し、発電機で約10%の省エネ効果を確認できたという。併せて、実証試験中に異常事態は発生せず、安全に航行できることも判明した。

 
 

現在の発電機は、供給電力の周波数に連動して動作するポンプやモーターなどの船内機器が、想定される最悪の条件下でも十分なパフォーマンスを発揮できるよう設定されており、通常航海中の常用周波数での運転は余分な電力を消費している。

そのため、状況に応じて発電機の周波数を下げることで燃料消費量を抑えられるシステムの開発が求められていた。

Hz Naviは船内の状況に応じて発電機の周波数を、船級ルールで定める範囲内で調整できるため、発電機の燃料消費量削減が可能になると見込む。

発電機周波数制御技術という、発電機の周波数を常用周波数とそれより低い省エネ周波数の切り替えが可能となる、日本郵船と常石造船の共同特許技術(第6238600号)を活用している。


Hz Navi導入前後の船内電力供給の比較


WHITE PRINCESS(いずれもプレスリリースより引用)

 
 

全長      : 209.9m
全幅      : 37.0m
総トン数    : 49,833t
載貨重量トン数 : 60,343t
建造年     : 2022年

(藤原秀行)

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