三菱電機とATR、エレベーターが搬送などのロボット動作情報を先に音声で伝える機能開発

三菱電機とATR、エレベーターが搬送などのロボット動作情報を先に音声で伝える機能開発

利用者に安心感提供

三菱電機は8月27日、国際電気通信基礎技術研究所(ATR)と、ロボットがエレベーターに乗降する際、ロボットの動作情報をエレベーターのかご内で音声案内することにより、エレベーター利用者の安全を守り、安心感も醸成する「ヒューマンファシリティインタラクション(HFI)機能」を開発したと発表した。今後も性能の向上に取り組む構え。


ロボットが人とエレベーターに同乗する際のエレベーター内での音声案内(イメージ)

オフィスビルや商業施設などで、清掃や警備、搬送といった用途でサービスロボットの導入が広がり、エレベーターと連携してフロア間の縦移動を自動化する技術・サービスの実用化も進んでいる。

さらに、人とロボットがエレベーターに同乗できる機能によって、効率良くフロア間の移動を行うことが可能になる。

一方で、人とロボットがエレベーターに同乗する際には、一般的にエレベーターの利用者がロボットの動作に対して配慮することが求められるが、ロボットの動作情報がエレベーターの利用者に伝わらず、利用者が不安やストレスを感じやすいことが課題だった。

両社は課題の解決に向け、人が常に一歩先を予測して行動し、他人に対して無意識にストレス軽減動作(会釈や声掛けなど)を行う点に着目し、エレベーターへのロボット乗降時に、エレベーター利用者に動作情報を音声で案内するHFI機能を確立した。

ロボット本体やエレベーターから、ロボットの動作情報をエレベーターの利用者に直接伝えることで不安やストレスを軽減できると見込む。

開発成果の詳細は、米カリフォルニアで8月26~30日に開催される「IEEE ROMAN 2024」で8月29日に発表する予定。

音声案内は「今からロボットが乗ります。出発まで少々お待ちください」といった内容を想定。実証実証の結果、エレベーターもしくはロボットいずれの音声案内の場合でも、ロボットに対する利用者の好感度が上がり、安心感を提供できることを確認したという。


実証実験によるロボットに対する好感度評価


実証実験の様子

開発体制

名称 担当内容
三菱電機 HFI機能の開発、実証実験
ATR HRIの知見を利用した実証実験計画

(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用

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