様々な商材・商流に対応した業務最適化実現図る
日本出版販売は10月8日、日販グループ全体で2023年から取り組んでいる「物流再編プログラム」の第1弾として着手していた新拠点「N-PORT新座」（埼玉県新座市）が竣工したと発表した。
物流再編プログラムでは、様々な商材・商流に対応した機械設備や、日販グループを横断した新しい倉庫管理システムの構築、ロボティクスなど最新技術の導入で、ハードとソフトの両面で「汎用性」「柔軟性」「高い生産性」を備え、取引先の売り場の変化を支える物流を実現していくことを目標に掲げている。
「N-PORT新座」は10月7日、東京都北区王子の「王子流通センター」から移管した雑貨の出荷を開始した。
10月中旬に日販グループ内のカルチュア・エクスペリエンスで扱う文具の移管・出荷を開始、11月上旬には王子流通センターから文具を移管し、本格的に稼働を始める予定。新拠点は文具雑貨の出荷からはじめ、今後は出版物も取り扱っていく予定。
「N-PORT新座」はラピュタロボティクスの自在型自動倉庫「ラピュタASRS」を採用。細かいアイテムを効率良く管理する能力を有し、自社比で通常2～3倍の効率で商品の入荷検品・格納ができる見通し。
自在型自動倉庫「ラピュタASRS」
ピッキング作業イメージ
また、椿本チエインの高速アソート（仕分け）機能を持つリニソートを取り入れている。ソーターがループ式になっていることにより、一般的なストレートソーターに比べ、高効率で商品を仕分けられる。
椿本チエイン リニソート
商品仕分け作業のイメージ
ESGへの取り組みとして、太陽光発電設備を設置。年間503t-CO2相当の発電を可能にしている。1坪当たりの年間CO2排出量を566t-CO2相当（王子流通センターの約4分の1）まで抑えられると見込んでおり、実質CO2排出量は年間63t-CO2と想定している。
併せて、大型シーリングファン「HVLSファン」の導入で作業所内に気流を発生させ、夏期は力強い風が体感を約4度下げ、秋から春までは、天井の暖かい空気を空間全体に行き渡らせて快適さを提供する。空調電力は従来のセンターと比較しておよそ12％以上の節約を見込んでいる。湿度は約6％下がるため、結露対策としても有効という。
大型シーリングファン「HVLSファン」
BCP対策として、法令で定められた耐火性能を有するのに加え、耐震性や強度、遮熱性、遮音性に優れた性能を持たせている。構内に災害用備蓄品を常設し、災害が発生した時には構内の従業員や近隣住民への支援を行うことを計画している。
施設概要
名称 ：N-PORT新座（略称：NP新座）
所在地 ：埼玉県新座市中野1丁目13-20
延床面積 ：7,670坪
主要業務 ：文具雑貨商品等の保管および仕分・出荷
出版社様からの物流受託事業の拡張
他社からの物流業務受託（3PL）
（藤原秀行）※いずれも日本出版販売提供
