荷主企業らの審査労力軽減図る
AIを活用した契約書の審査・管理システムなどを展開しているLegalOn Technologies(リーガルオンテクノロジーズ)は11月5日、AIを駆使して企業の法務を包括的にサポートするクラウドサービス「LegalOn Cloud」(リーガルオンクラウド)で、契約内容にリスクが潜んでいないかチェックする機能に関し、新たに「倉庫寄託契約」への対応を始めたと発表した。
荷主企業などが倉庫寄託契約書を締結する際、内容の審査に要する労力を減らせるようサポートする。
倉庫寄託契約は受寄者の倉庫業者があらかじめ不特定多数の企業と同一の契約を効率的に行うため、取引条項などをまとめた約款をベースにして契約することが一般的。その内容は国土交通省が定める標準倉庫寄託約款と同一の場合が多いものの、倉庫業者側に有利な内容となっているため、場合によっては荷主企業などの側に条件を修正する契約交渉が発生している。
倉庫寄託契約のレビューに際しては標準倉庫寄託約款に対する理解が必要となる上、倉庫業法や商法などの関連法令に対する知識も不可欠で、レビューには一定の習熟が求められる。
そうした状況を踏まえ、「LegalOn Cloud」上で倉庫寄託契約についても、重要なポイントを瞬時にチェックできるようにし、効率的な契約書レビューを支援できるようにした。
■「倉庫寄託契約」のレビューチェックポイント(一部)
約款の適用
倉庫寄託契約においては、受寄者(倉庫業者)が定める約款または標準倉庫寄託約款の適用があるのか否かによって取引条件が変わってくるため、約款の適用の有無や、契約と約款の内容が異なるときの優劣関係を明確にしておくことが重要。
寄託物の内容検査義務
受寄者(倉庫業者)における寄託物の受領時の検査が必要的であるか否かを明確にしておくことが重要。受寄者が定める約款では、検査を任意的なものとした上で、検査を行わなかった場合には寄託物の内容について受寄者が責任を負わない旨が定められているなど、受寄者に有利な内容となっていることが多い。
(藤原秀行)