地下貯留実現を後押し
日本郵船は12月3日、ノルウェーの船会社クヌッツェングループとの合弁会社Knutsen NYK Carbon Carriers(クヌッツェン・エヌワイケイ・カーボン・キャリアーズ、KNCC)と組み、日本シップヤード(今治造船とジャパンマリンユナイテッドの共同営業設計会社)と、KNCCの独自技術「LCO2-Elevated Pressure(LCO2-EP)カーゴタンク」を基に、常温昇圧(EP)方式を用いてターミナル間で液化二酸化炭素(LCO2)を貯蔵・輸送する4万㎥の液化CO2船建造に向け、共同で検討を開始すると発表した。
EP方式は常温でCO2を液化、輸送する。他の方式よりも設備投資額を抑えられることなどがメリットという。
脱炭素の手段の1つとして、CCS(CO2の地下貯留)の注目度が高まっており、貯留場所までの輸送を担える液化CO2船を実用化し、CCSの実現に貢献したい考え。
CCSはCO2を発電所や化学工場などの排出源で回収し、輸送用に圧縮してから陸域や海底下など安全な地下地層深くに圧入する技術。
各社の役割
会社名 | 役割 |
日本郵船 | ・全体方針の策定 ・建造可能性と妥当性の評価 |
KNCC | ・LCO₂ -EP船に関する技術および規制に関する専門知識の提供 |
日本シップヤード | ・造船所の立場からLCO₂ -EP船の建造方法を検討 |
LCO2-EP船のイメージ(日本郵船提供)
(藤原秀行)