トルビズオン、岐阜・関市で災害想定した「レベル3.5」飛行のドローン物資輸送に成功

トルビズオン、岐阜・関市で災害想定した「レベル3.5」飛行のドローン物資輸送に成功

豪雨被害の教訓踏まえ、確実なルート確立目指す

ドローン空路整備事業を手掛けるトルビズオンは1月17日、岐阜県関市で、糸乗建設(兵庫県豊岡市)や同市と連携し、1月16日に災害時を想定した「ウインチを活用した非着陸物資輸送」の実証実験を行い、成功したと発表した。機体に搭載したカメラで地上の安全を確認できることなどを条件に、ルート下への監視員配置や看板の啓示を省略できる「レベル3.5」飛行を行った。

公共施設の武儀生涯学習センターを中継拠点(ハブ)に設定し、複数方向へのドローン輸送を展開。災害時に道路寸断リスクの高い山間部でも迅速・安全に物資を届けられる可能性を確認。2018年7月の豪雨災害の教訓を踏まえた空路整備とリスクアセスメントなどの重要性を再認識した。

 
 


ウィンチによる毛布搬送の様子(トルビズオン提供)

岐阜県美濃地方は18年7月の豪雨が津保川流域などで深刻な浸水被害を引き起こし、中山間地域の狭窄部や道路冠水のリスクが高まり、救援物資や生活必需品の輸送に支障をきたした。そのため、豪雨災害時でも確実に物資を届けられる新たな輸送手段の確立が急務となっていた。

岐阜県スマート物流推進協議会が公募した、ドローンを活用した実証事業に応募した結果、糸乗建設が実施事業者として採択され、関市武儀地区がフィールドに選定された。

機体は中国のDJI社製「FlyCart30」(ウインチシステム搭載)を採用。関市武儀事務所から武儀生涯学習センター(約2.5km)、武儀生涯学習センターと武儀倉集会所の間(約2.5km往復)、武儀生涯学習センターとハートシティ中濃の杜(約2km往復)を飛行した。

災害時を想定し、道路が寸断されやすいエリアで、公共施設を中心に複数方向へリレー配送を実施。FlyCart30のウインチによる非着陸輸送で、狭くて着陸スペースが確保できない地域や被災地でも安全に物資を積み降ろしできることを確認した。

(藤原秀行)

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