偽造IDを高精度で検出も
バーコードなどの高速・高精度読み取り技術を手掛けるスイスのスタートアップ企業Scandit(スキャンディット)の日本法人は2月6日、従来製品よりもさらにスマートな最新版SDK(ソフトウェア開発キット)「SDK7.0」を開発したと発表した。
SDK7.0は小売、物流、製造、航空などの幅広い業界に対応する高機能を追加しており、困難なスキャンの課題を解決できると見込む。
Scandit SDK7.0(同社提供)
新機能のうち「Smart Scan Intention」(スマートスキャンインテンション)は、スキャナーの向け方が不正確でもバーコードを正確に読み取ることが可能。エラーの削減による従業員の負荷低減などにつなげられると見込む。
「Smart Label Capture」(スマートラベルキャプチャー)は、ラベルからバーコードとテキストデータを同時に抽出し、複雑なデータ入力を最大7倍高速化できるマルチモーダルデータキャプチャーを実現する。
シリアル番号、重量、有効期限が記載されているラベルに最適の技術とみており、精度を高めてエラーを減らし、情報の誤りによる収益減を防ぐ。ある米国の企業は、ラベルの誤った解釈による過小請求で引き起こされる130万ドル(約2億円)の売上損失を回避したという。
さらに、よりスマートなID(身分証明)検証を達成。無効なIDの検出機能をID Validateに追加し、手作業での確認や従業員の立ち会いをせずに有効期限切れや、破損した書類を識別できるようになり、その一方で偽造IDの検出精度は99.9%に向上した。
1秒のスキャン速度を維持しながら、ドライバーの登録などのオンボーディング手順におけるユーザーエクスペリエンス改善を果たしている。
(藤原秀行)※いずれもScandit提供