鴻池運輸、フューチャー系のAI活用自動読み取り技術を製造受託業務に採用

鴻池運輸、フューチャー系のAI活用自動読み取り技術を製造受託業務に採用

住宅設備の数チェックに投入、目視作業解消で負荷低減図る

フューチャー傘下でITを活用した物流業界向けソリューション開発などを手掛けるフューチャーアーキテクトと鴻池運輸は2月13日、フューチャーアーキテクトが独自に開発した、スマートフォン上で稼働するAI-OCR(AIを活用した光学文字認識)ソリューション「Future EdgeAI」(フューチャーエッジAI)を2024年12月末に鴻池運輸が自社の製造受託業務に採用したと発表した。

「Future EdgeAI」はオフライン環境でも携帯端末で動作する、AI-OCR技術を核とした業務効率化ソリューション。スマートフォンやタブレット端末、ハンディターミナルの内蔵カメラで書類や伝票を撮影すれば、文字をそのままデータ化する。

 
 

漢字、ひらがな、カナ、英数字など様々なフォントの活字に加え、手書き文字も高い精度で正しく読み取るため、物流現場の入庫作業などを大幅に効率化できると想定している。

鴻池運輸は24年4月、物流倉庫でバーコードや2次元コードの表示がない製品のピッキング業務に「Future EdgeAI」を導入済み。新たに、同社の千葉東営業所(千葉県佐倉市)で、メーカーから受託して製造する住宅設備の製造数チェック作業に取り入れる。

同東営業所は数百種類におよぶ住宅設備の製造と保管、出荷業務を担っている。これまで完成した製品は縦置き、横置きと混在した状態でパレットに積み上げられ、担当者はパレットに貼られている製造指示書記載の型番・数量と、梱包された製品一つ一つに付けられているラベルを目視で照合しており、負荷が大きかった。

そのため、両社は「Future EdgeAI」を搭載したスマホとPCを連携させて完成品の数をチェックする仕組みを導入。梱包した製品を載せたパレットを指定位置に配置し、担当者がパレット側面をスマホで撮影すると上面に設置したスマホが連動して撮影する。「Future EdgeAI」が自動で製造指示書と製品ラベルを読み取り、予定通りに製造が行われたかどうかのチェック結果はPCに表示する。

目視作業がなくなることで月間23時間の業務削減を図るとともに、委託製造業務の品質向上にもつなげる。


Future EdgeAIを用いた製造数チェック業務フロー(両社提供)

 
 

(藤原秀行)

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