筆頭株主のアルファレオは反対か
乾汽船は6月21日、東京都内で定時株主総会を開いた。会社側が提案した乾康之社長を含む取締役5人全員の再任や買収防衛策導入など4議案はいずれも原案通り承認可決された。
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筆頭株主の資産運用会社アルファレオホールディングスは取締役再任や買収防衛策導入に反対したとみられるが、他の株主から広範な賛同を得るには至らなかったようだ。
アルファレオは6月14日時点で乾汽船株式の25・58%を保有している。定時株主総会前に関東財務局へ提出した、株式の大量保有報告書の記載内容修正に関する「変更報告書」の中で、常勤の取締役が乾康之社長、乾隆志取締役の兄弟2人だけなのは経営体制が脆弱などと指摘、取締役再任と買収防衛策に反対する意向を明記していた。
乾汽船は6月21日、アルファレオについて「当社との間に営業取引および人的関係はない」と説明、上場会社としての独立性を十分確保していると強調した。併せて、同社に対し決算情報の提出を依頼しているが、6月20日時点でまだ受領できていないことを明らかにした。
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(藤原秀行)