非常停止などのトラブル発生せず
ホテルや飲食店など向けのサービスロボットを手掛けるQBIT Robotics(東京都千代田区平河町)と大和物流の両社は4月8日、大和物流が館内物流業務を担っている東京都八王子市の商業施設「iias高尾(イーアス高尾)」で、1月28~30日の間、QBIT Roboticsの配送ロボット「DR2」を用いて施設内の店舗に荷物を届ける実証実験を行ったと発表した。
配送ロボットの安全性や運用の課題を確認し、物流効率化を支援できるかどうか検証することを目的として実施した。
実証実験の様子
イーアス高尾外観(いずれも両社提供)
不特定多数の来館者が行き交う環境で、配送ロボットが安全に走行することが可能かどうかなどを確かめた。
具体的には、施設の荷さばき場からバックヤード、館内共用部を経由し、3店舗に小型荷物を配送。併せて、インフォメーションカウンターから館内共用部およびバックヤードを経由し、防災センターまで拾得物を届けた。
実証の結果、人が接近した際に音や光を発する装置をロボットに装着し、来館者への注意喚起を効果的に行ったことで、非常停止などのトラブルは発生せず、安全性が確認できたという。
また、施設バックヤードから館内共用部へ出る際のドアの開閉については課題が残ったものの、ドアの自動開閉を可能にするロボットのカスタマイズ条件を確認することができた。売り場への配送については、店舗内レイアウトを見直すことで店舗内部への配送が可能となることを確認した。
DR2のスペック
ロボットサイズ 高1032mm(操作パネルの高さまで) 幅536mm×523mm
最大積載重量 45kg
最大速度 1.2m/s
充電時間 4-5時間
稼働時間 稼働時(0.9m/s):20時間
段差 18mm
登坂能力 10°以下
溝超え 30mm
※複数のセンサーにより、人や物を認識して自動的に停止・回避する
(藤原秀行)