平時と災害時の両方で対応可能な「フェーズフリー」重視
アルフレッサホールディングス傘下のアルフレッサとエアロネクスト、同社子会社のNEXT DELIVERYの3社は4月23日、災害時の医薬品配送を見据え、政府の「ドローンによる医薬品配送に関するガイドライン」に準拠し、平時と災害時の両方で対応可能にする「フェーズフリー」の考え方に基づいた、ドローンを活用した医療機関への医薬品の定期配送を4月22日に静岡県川根本町で始めたと発表した。
同町ではエアロネクストとNEXT DELIVERYが展開している、ドローンなど先進的技術を駆使して地域の物流網を維持する新スマート物流「SkyHub(スカイハブ)」実装事業を2024~26年度の間、実施している。
物流専用ドローン「AirTruck」に医薬品を入れた専用箱を搭載(旧中川根南部小学校グラウンド)
エアロネクストとNEXT DELIVERYは2023年に災害時の孤立地域へのドローン配送を想定した実証実験を実施し、川根本町とエアロネクストは、過疎化などの地域課題の解決に向けて、ドローン配送実証事業を含む次世代高度技術の活用による新しい物流のビジネスモデルの構築を目的とした連携協定を締結した。
SkyHubの社会実装に向け、24年5月にSkyHub用のドローンデポ(荷物の保管・発送拠点)を地震災害時の避難所にも指定されている旧中川根南部小学校に開設し、買い物代行やフードデリバリー、共同配送といったサービスを展開している。
災害時も医療提供活動を支援するとともに、孤立などの課題解決も目指す。
ドローン飛行は、航空法で分類されている高度な「レベル3.5飛行」で実施し、温度管理や施錠管理などの規制を定めたガイドラインに従って運営する。
具体的には、アルフレッサの静岡物流センター(静岡県藤枝市)からNEXT DELIVERY配送拠点(旧中川根南部小学校のSkyHubドローンデポ川根本町)まで、陸路で必要な医薬品を輸送します。配送拠点より遠方エリアをドローンもしくは車両にて配送いたします。1軒の医療機関から実装を開始し、今後川根本町内の医療機関へ拡充していく予定です。
川根本町におけるドローンを活用した医薬品定期配送の運用イメージ
アルフレッサ静岡物流センターからNEXT DELIVERY川根本町配送拠点への陸路配送
指紋認証鍵により施錠された医薬品が入った専用箱を解錠するまつおか薬局代表取締役の松岡政臣氏(まつおか薬局)
医薬品配送を終えて、NEXT DELIVERY川根本町配送拠点へ帰還する物流専用ドローンAirTruck
(藤原秀行)※いずれも3社提供