EV用に需要拡大のリチウムイオン電池向けなど強み、「エネルギー・素材」分野注力
双日と住友化学、三井化学の3社は5月15日、双日が化学樹脂大手の日本エイアンドエル(大阪市)を7月に買収すると発表した。
日本エイアンドエルは住友化学と三井化学の合弁会社。双日が日本エイアンドエル株式の66.5%を取得し、連結子会社化する。
日本エイアンドエルは電気自動車(EV)用などで需要が拡大しているリチウムイオン電池(LiB)の負極バインダー用SBRラテックスで高い技術力を持つ世界的なサプライヤー。紙加工用のSBRラテックスでも国内有数のサプライチェーンを有している。さらに、自動車や家電に使用されるABS樹脂も得意としている。
双日はLiB分野の黎明期から日本エイアンドエル製品を含む関連部材を取り扱っており、事業の知見や経験を有している上、同事業の強化に意欲的なことなどを考慮し、住友化学と三井化学は株式の一部を譲渡することにした。
双日は現行の中期経営計画で、企業価値の2倍成長に向けた成長基盤の強化策の一環として「エネルギー・素材ソリューション」分野に注力することを示しており、今回の買収もその一環。
日本エイアンドエルの概要
設立 |
1999年7月1日 |
所在地 |
大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友ビル |
資本金 |
60億円(住友化学85%、三井化学15%) ※本件実行後は双日66.5%、住友化学33.5%になる予定 |
代表者 |
代表取締役社長 阪本 聡司 |
主な事業内容 |
SBRラテックスならびにABS樹脂等の製造・販売・研究開発 |
(藤原秀行)