「貼り間違い」や「印字ミス」低減
カミナシは6月10日、製造業や物流業などの現場で日々の設備点検結果を帳票システムに記録できるサービス「カミナシ レポート」に関し、新たに「AIラベル検査」機能の提供を開始したと発表した。
新機能を使うことで、食品製造現場でこれまで多数発生していた食品表示ラベルの貼り間違いや印字ミスなどによる商品の自主回収と食品廃棄（食品ロス）を未然に防ぐことが可能になると想定している。
厚生労働省が公開している食品の自主回収（リコール）情報（2024年度分）をカミナシが分析した結果、ラベルの貼付間違いや記載ミス、表示欠落など、ラベルに起因する自主回収が312件あり、公開された全情報586件中の53%に上っていたという。
各事案は企業にとって多大な経済的損失だけでなく、消費者からの信頼失墜のほか、食品廃棄（食品ロス）にもつながり、社会的な損失にもなりかねない課題のため、対応を強化することにした。
新機能は食品製造のラインで商品に貼付している食品表示ラベルを、AIが画像認識技術を用いて自動で読み取り、事前に登録している正しい表示内容と照合する。
複雑なデザインや多様なフォントのラベルも高精度で認識できるため、目視による確認作業を削減して従業員の負担を軽減するとともに、検査品質の均一化につながると見込む。
判定結果はカミナシ レポートのシステムに記録するため、いつ、どの商品をどのように検査したかの履歴を詳細に管理できる。
2024年度 食品回収事案グラフ
（藤原秀行）※いずれもカミナシ提供
