雨天時でも飛行可能に
エアロセンスは6月18日、防水や収納、運用の各性能を大幅に進化させた垂直離着陸型固定翼(VTOL)型ドローン「エアロボウイング」の新モデル(AS-VT02K)の受注を同日開始したと発表した。
「エアロボウイング」は2020年に国内初のVTOL型ドローンとして運用と発売を開始。長距離・広域飛行の特徴を活かした砂防、ダム、河川、道路、線路などのインフラ点検、災害対策、測量、緊急物資物流など、さまざまな現場で利用が広がっている。
新モデルは天候に左右されない環境でさまざまな点検目的の運用を目指し、設計を施した。IP43の防塵・防滴性能を備え、これまで飛行が不可だった雨天時(少雨)でも利用を可能にした。
VTOL型ドローン「エアロボウイング」新モデル(AS-VT02K)
他にも、ペイロードカメラの交換を簡易にするための共通ハッチを採用し、ユーザーから要望の多い静止画、動画、赤外線撮影に対応。さらに、通信モジュール(オプション)を交換することで、国土交通省が整備する通信インフラ設備「Smart River Spot(SRS)」をカバーできるようにしている。
このほか、機体を2つのケースに分けコンパクト・軽量化したことで収納と運搬が容易になり、工具不要で簡単に組み立てを行うことができる。飛行前の動作点検を自動化し、飛行時のフェールセーフ機能を強化したことで利便性や安全性能も大幅に向上しているという。
同機は今後、国土交通省から「第二種型式認証」を取得し、より高度な飛行が可能な「レベル3.5飛行」に対応することを目指している。
機体ケースを2つに分けコンパクト・軽量化したことで、軽ワゴン車でも運搬できるようにしている
型名 | AS-VT02K |
外形寸法 | 2.1 x 1.2 x 0.4 m (プロペラ含む) |
本体重量 | 10kg (バッテリー含む) |
最大離陸重量 | 11.6kg |
最大積載可能重量 | 1.6kg |
電源 | 2 x 6S リポバッテリー |
飛行可能時間 | 59分 |
最大飛行距離 | 70km |
最高速度 | 100km/h |
巡航速度 | 72km/h |
飛行可能風速 | 10m/s (固定翼飛行時、上空での向かい風の風速) |
動作保証温度 | -10°C to 40°C (バッテリー含まない) |
GNSS | 2周波GNSS GPS, GLONASS, Galileo, BeiDou, QZSS / L1, L2) |
機体制御無線 | 2.4GHz, LTE, SRS無線(オプション) |
2.4GHz 電波到達距離 | 見通し1500m (通常版) 見通し5000m (ハイパワー版) (第三級陸上特殊無線技士免許が必要) |
FPV カメラ | 2機搭載 (前向き/下向き) |
安全性能 |
LED 灯火(赤/ 緑/ 白) 緊急時のマルチコプター飛行への自動遷移(機体の姿勢が大きく崩れた時、高度が低下した時に自動遷移) 簡単操作でのマルチコプター飛行への遷移 自動帰還(無線切断、バッテリー残量低下時) 自動着陸(GPS 異常、バッテリー残量低下時) |
飛行制御 | 飛行計画による自動航行 |
センサー | IMU、下向き測距センサー、対気速度センサー、気圧センサー |
防塵・防水性能 | IP43 |
フライトコントローラ | エアロセンス製 フライトコントローラ |
GCS | エアロセンス製 エアロボステーション |
データ格納 | SD card (静止画カメラ R10C 使用時) |
ケースサイズ | ➀ 1.1m × 0.9m × 0.5m (突起部含む) ② 1.3m × 0.3m × 0.3m (突起部含む) |
型式認証 | 第二種型式認証取得予定 |
生産国 | 日本 |
(藤原秀行)※いずれもエアロセンス提供