MOU締結、将来の需要拡大に対応
Terra Drone(テラドローン)は7月25日、サウジアラビアでプラントやインフラ設備の点検事業を手掛けるNational Inspection & Technical Testing Company(ナショナル・インスペクション&テクニカル・テスティング、FAHSS)と、同国のプラントやインフラ設備の点検分野でドローンをより広く活用するために連携すると発表した。
テラドローン子会社でサウジアラビアに拠点を置くTerra Drone Arabia(テラドローン・アラビア)がFAHSSと社会実装を推進するための覚書(MOU)を締結した。
現地で豊富な実績と信頼を持つFAHSSと戦略的な事業連携を実現し、成長が見込まれる点検需要を着実に取り込んでいきたい考えだ。
サウジアラビアは石油・ガス、石油化学、エネルギーといった主要産業が活発で、プラントやインフラ設備の点検需要は世界有数の規模を誇るという。同国政府は最新技術を取り入れた社会の近代化を目指しており、ドローンの活用も強く推進している。
特にプラントやインフラ設備の点検は省力化と作業効率・安全性向上の観点からドローン活用の機運が高まる一方、有資格の操縦士や認定点検技術者の不足が課題となっており、技術の本格的な導入・普及はまだ限定的という。
FAHSSは、サウジアラビアを拠点にプラントとインフラ設備の点検・認証・技術者研修・監査を展開。ドイツの第三者認証・検査機関TÜV NORDグループのサウジアラビア現地法人として、中東湾岸地域における中核的役割を担っている。テラドローンはFAHSSのノウハウや専門的な知識を借り、サウジアラビアで事業基盤の整備を図る。
MOUは具体的に対象物として、タンクやボイラーなど屋内プラント設備、石油精製所や化学プラントなどで発生する余剰ガスを安全に燃やして無害化する「フレアスタック」や送電塔など高所にあるインフラ設備を設定。ドローンを活用した目視点検、超音波点検、熱画像点検を展開していくことを念頭に置いている。
(藤原秀行)