【現地取材】兵庫・尼崎で日本GLPの大規模物流施設「ALFALINK」が竣工

【現地取材】兵庫・尼崎で日本GLPの大規模物流施設「ALFALINK」が竣工

計2棟37万㎡、全国初の自治体運営スペース併設

日本GLPは11月12日、兵庫県尼崎市で竣工した大規模物流施設「GLP ALFALINK(アルファリンク)尼崎」をメディアに公開した。古河電工の旧工場跡地に約1400億円を投じて2棟を建設。総延べ床面積約は約37平方メートルに及び、関西の物流施設としては最大規模だ。ALFALINKブランドのプロジェクトが完成したのは千葉県流山市、神奈川県相模原市、大阪府茨木市に続いて4カ所目。

これまでのALFALINKと同様、地域に開かれた環境の整備に腐心しており、「GLP ALFALINK尼崎」は新たな試みとして、施設内の共用棟「ALCO BRIDGE(アルコブリッジ)」の1階部分に地元の尼崎市が地域活性化や子育て支援のために運営する施設「ALCO GARDEN(アルコガーデン)」を設置している。



併せて、尼崎市と同日付で災害時の協力協定を締結した。日本GLPは、物流施設内に自治体が運営するスペースが入居するのは全国で初めてと説明している。

佐川急便が物流施設の一角に大型中継センターを構え、入居テナントの発送効率化をサポートする予定。

日本GLPの帖佐義之社長は同日、現地で開催した記者会見で、建設費高騰で今後は物流施設開発が鈍化し、供給量が減少するとの見方が物流・不動産業界で広がっていることについて「われわれは先進的な物件を供給できる能力を備えており、間違いなくチャンス。ペースダウンすることなく供給を続ける」と語り、大規模案件の開発に今後も挑む姿勢を強調した。

「GLP ALFALINK尼崎」を構成するのは、南側に位置するマルチテナント型の「GLP ALFALINK尼崎South」(地上6階建て、延べ床面積約24万2420平方メートル)と、北側に存在するボックス型の「GLP ALFALINK 尼崎North」(地上4階建て、約11万2300平方メートル)。このうち「South」は佐川と日本アクセス、関通、ジョブポート(兵庫県西宮市)など計5社が利用を決めており、満床で稼働することが確定済み。

「North」はこれまでにも日本GLPの物流施設を使っている企業が専用施設として利用する。具体的な社名は開示していない。


「GLP ALFALINK尼崎」。手前が「North」、奥側が「South」


施設内の共有棟「ALCO BRIDGE」



両棟を結ぶ場所に共用峰を設置し、施設従業員に加えて地域住民らも利用できるレストラン、コンビニ、会議室などを導入し、働きやすい環境を整備している。また、敷地内にはフットサルなどをプレーできるマルチコート、起伏があって散歩を楽しめるグリーンエリアなども設けている。

共用棟はSGホールディングスグループのSGフィルダーとフルキャストホールディングススが入居し、テナント企業の人材確保を後押しする。


共通棟の1階に設置している尼崎市の「ALCO GARDEN」(いずれも日本GLP提供)

帖佐社長は会見で「物流施設はセキュリティや交通安全の面からどうしても閉鎖的にならざるを得ず、地域住民に親しみを持ってもらえない、嫌悪される施設になりやすかった。あえて地域に開放することで多くの人が集まる場所にしていきたい」とアピール。他のALFALINKと同じく、入居企業と他の企業が連携する「共創」も後押ししていきたいとの考えを示した。

会見に同席した佐川の枝川和弘取締役(輸送ネットワーク・施設投資担当)は、現在関西は4拠点が業鵜を展開しているが、「GLP ALFALINK尼崎」内に設ける大型中継センターに機能を集約する計画を説明。「これまで以上に輸送の効率化、品質安定につながるということで非常に期待している」と語った。

(藤原秀行)

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