岡山〜千葉と東京~岡山間、ドライバー拘束を年間1400時間短縮見込む
サッポロホールディングスとNIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)、JT(日本たばこ産業)などが出資している物流企業のTSネットワークの3社は12月1日、31ftコンテナを活用した鉄道による共同輸送を12月に始めると発表した。
TSネットワークとサッポロ傘下のサッポログループ物流、NXHD傘下の日本通運がそれぞれオペレーションを担う。「物流2024年問題」やトラックドライバー不足を踏まえ、安定した輸送力の確保と環境負荷低減を図る。

これまでサッポログループ物流は岡山~千葉、TSネットワークは東京〜岡山間で長距離トラック輸送を実施してきたが、全国的なドライバー不足やCO2排出量削減などの課題を共通で抱えていた。
日通の顧客マッチングの経験を生かし、サッポログループ物流とTSネットワークの輸送需要を組み合わせ、効率的な鉄道ラウンド輸送の仕組みを構築した。
具体的には、サッポログループ物流がサッポロビール岡山ワイナリー(岡山)からサッポロビール京葉湾岸物流センター(千葉)へ輸送する製品と、TSネットワークが大井保税センター(東京)から岡山流通センターへ輸送する製品を、31ftコンテナを使い鉄道でラウンド輸送する。
往路・復路でそれぞれ積載率を高め、空コンテナ回送を削減できると見込む。

鉄道の活用により、3社はドライバーの拘束時間を年間約1400時間短縮し、将来的な人員不足リスクに備えるとともに、輸送モードの複線化による安定供給を確保する。
トラック輸送(約678km)から鉄道輸送への切り替えにより、1運行当たりサッポログループ物流とTSネットワークの両社でCO2排出量を約1167kg(削減率76.9%)、年間で約168t削減できると見積もっている。
(藤原秀行)※いずれもプレスリリースより引用



