第1段はベルギー・ブリュッセル~米シンシナティ間、ボーイング777型貨物機を新規投入
DHLグループは2月19日、ライフサイエンス&ヘルスケア(LSH)分野の物流体制を大幅に強化するため、専用の航空貨物コールドチェーンネットワークを拡充すると発表した。
温度管理を要する医薬品、ワクチン、バイオ医薬品、細胞・遺伝子治療(Cell & Gene Therapy)製品の輸送体制を高度化するのが狙い。

ブリュッセル~米シンシナティ間で新規導入したヘルスケアロジスティクス専用のボーイング777型貨物機
今回のネットワーク拡充は「DHL Health Logistics」に対する総額20億ユーロ(約3600億円)の戦略的投資の中核を成す取り組みの一つと位置付けている。高度な品質管理が求められるヘルスケア製品について、エンド・ツー・エンドで可視性を確保し、世界有数の製薬・医療機器企業で高度化・複雑化している物流ニーズに対応する。
今回の拡充では、第三者の航空会社や商業航空便への依存度を低減することで、輸送全行程におけるサービスの完全性と温度管理精度を向上させることを想定。同時に、地政学的リスク、輸送スペース不足、規制の複雑化といった外部環境変化への耐性(レジリエンス)も強化する。
ネットワークは30以上のGDP準拠航空ハブおよびゲートウェイを通じて主要市場を結び、温度管理を要する医薬品・医療製品の輸送能力を拡充する。
まずベルギー・ブリュッセル(BRU)~米シンシナティ(CVG)間の専用レーンを第1弾として運用を開始し、その後は欧州、中東、アジア、中南米へ順次拡大する予定。BRU~CVG間レーンは、大手製薬企業が集積する米国中西部と、欧州有数のライフサイエンス拠点を直接接続する。沿岸部の混雑を回避することで、高付加価値バイオ医薬品やタイムクリティカルな細胞・遺伝子治療製品に対し、円滑な温度管理輸送を実現する。

ブリュッセル~シンシナティ間で新規導入したヘルスケアロジスティクス専用のボーイング777型貨物機
ブリュッセル側では、ブリュッセル空港貨物地区(BRUcargo)内に4万5000㎡の医薬品専用ゾーンを整備。臨床レベルの品質保証体制の下、出発地から到着地まで一貫した品質管理を確立する。世界の主要ヘルスケア市場間を結ぶ強靭な輸送インフラを展開する。
今後の重点拡大国には、インド、シンガポール、日本、韓国、ブラジル、米国、ドイツ、アイルランドを含む。各ルートは厳格な規制要件を満たしながらサプライチェーン全体で製品品質を維持する設計を施す。
ネットワーク拡充を支えるため、DHLはブリュッセル~シンシナティ間に専用のボーイング777型貨物機を導入した。
(藤原秀行)※いずれもDHLグループ提供












