【現地取材】Spectee・村上CEO、AIでサプライヤーとの結び付きを推定・可視化する技術実用化へ

【現地取材】Spectee・村上CEO、AIでサプライヤーとの結び付きを推定・可視化する技術実用化へ

ブラックボックス化解消し有事の迅速対応支援、E2ラウンドの資金調達18億円に

Spectee(スペクティ)の村上建治郎CEO(最高経営責任者)は5月29日、東京都内の本社で記者会見し、今後の事業戦略などを説明した。

災害の頻発や地政学リスクの高まりなどを考慮し、製造業が部品や原材料などのサプライチェーンで抱えているリスクを可視化して迅速に対応できるようサポートするサービス「Spectee SCR」の機能強化と事業拡大を図る方針を表明。

その一環として、AIを活用し、部品や原材料のサプライヤーのつながりを各種公開データなどから推定、有事の際に的確に対応できるようにする技術を今後β版として提供する考えを明らかにした。

併せて、E2ラウンド(事業の最終的な拡大段階)の資金調達として、新たに5月28日付でベンチャーキャピタルのインパクト・キャピタルから2億円を調達したことも明らかにした。同ラウンドの総額では18億円、累計調達額は38億円に達した。調達した資金はSpectee SCRの機能強化などに充てる。


会見する村上CEO

村上CEOは、製造業の多くは多層的なサプライチェーンの全体像を把握することが難しく、災害など有事の際に、どの拠点やサプライヤー、部品に影響が及ぶかを見極めるのは難しいと指摘。

信用調査会社の情報やニュース記事などを踏まえ、それぞれの企業がどのようなサプライヤーと協力関係にあるのかといった情報を推定することで下層のサプライヤーまで状況を把握できるようにする方針を公表した。同時に、推定した情報の秘匿管理にも万全を期す姿勢をアピールした。

また、リスクの状況を分析して対応をユーザーに提案するなど、Specteeが独自にAIエージェントを構築、27年度から本格的に稼働させることも想定していると明かした。

他にも、「Spectee SCR」の新機能として、今年4月に渋滞情報の表示を始めたのに加え、今年6月には河川・道路カメラと連携してユーザーが災害の度合いなどを映像で確認できるようにしたり、その後にSNSの情報を基に大雨時などの浸水危険度を点数化し、警告をすぐに発せられるようにしたりすることも取り入れる。

村上CEOは、AIエージェントが事象の把握から影響分析、次の行動提案まで自動で実行することで、有事の初動はAIが担うことも想定、現場の人間がその分、意思決定に集中できるようにすることなどを想定していると解説した。将来像として、Specteeのサプライチェーンリスク管理支援のサービスが、外部のシステムなどと連携し、オープンな社会インフラに進化していくことを目指す意向を示した。

(藤原秀行)

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