自動車電装部品の松田電機工業所、MujinのフィジカルAIで混載通い箱の荷降ろし作業を自動化

自動車電装部品の松田電機工業所、MujinのフィジカルAIで混載通い箱の荷降ろし作業を自動化

国内初、デパレロボット2台導入

MujinグループのMujin Japanは9月3日、自動車電装部品メーカーの松田電機工業所(愛知県春日井市)が、Mujinグループの通い箱デパレタイズロボット2台を導入、混載通い箱の入荷・入庫工程を自動化したと発表した。

Mujinによると、中小製造業がサイズや形状、積載状態が異なる混載通い箱をロボットで自動荷降ろしさせるのは国内で初めてという。年間で5856時間の工数を削減するなど、現場の作業効率化で成果も得ている。

自動化機器を制御するMujinOSを基盤としたフィジカルAI(AIがロボットなどを自律的に制御する)技術により、これまで人手に頼ってきた複雑な荷降ろし作業を自動化することに成功した。

自動車部品工場では、複数のサプライヤーが納入する多様な部品を通い箱(コンテナ)に収納、混載パレットとして搬入される。入荷から保管、生産工程への供給、出荷まで、構内物流は通い箱単位で運用されている。

混載通い箱パレットの仕分け工程は、通い箱自体、形状やサイズが異なる上、経年劣化による変形も見られ、箱の種類や積載位置、向き、箱同士の隙間がパレットごとに異なり、ロボットが把持できる箱の縁は限られ、箱ごとに適した把持位置や動作を判断する必要があるなど非常に難度が高い。

従来のような、事前に動作をロボットに教え込むティーチング方式では自動化が難しく、重い通い箱の荷下ろしは人手に頼らざるを得なかった。

松田電機工業所は、地方工場における採用難への対応と、生産技術・物流の高度化を進める一環として、従来自動化が難しかった混載通い箱の荷降ろし工程の自動化に挑むことにした。

同社がMujinOSを搭載したロボットを導入したのは、入荷時の混載パレットからの荷降ろし工程と、完成品を自動倉庫へ入庫する工程の2カ所。

ロボット上部に設置した3Dビジョンが混載パレットをスキャンし、MujinOSが通い箱の位置や形状、把持に必要な縁を高精度に認識する。その情報を生かし、把持位置とロボットの動作経路をリアルタイムで計算、荷降ろしする。

あらかじめ積載パターンを固定できない混載パレットからも、通い箱を自律的に取り出すことが可能。

入荷工程では、ロボットが通い箱を把持した後、側面にあるかんばん(生産の指示)をスキャン。その際、かんばんを確認できない場合は、箱を回転させて別の面をスキャンし、かんばんを読み取る。単に箱を取り出すだけではなく、かんばんを読み取り、後工程に適した向きに整えて供給できるようにしている。

ロボットハンドは、箱のサイズに合わせて爪幅を自動調整する。複数規格の通い箱にも、ハンドを交換せずに対応できる。

導入後に新たな箱種や品番が追加された場合も、設備全体を作り変えることなく対応範囲を広げることが可能。生産品目の変化など、将来的な物流条件の変動にも対応できるため、自動化設備を長期的な経営資産として活用することが可能と見込む。

松田電機工業所は、独自の改善活動「IM(Innovation Movement)」を通じて、生産技術や物流の高度化に取り組んできており、今回の自動化で作業者の負担を軽減するとともに、より付加価値の高い業務へ人材を配置できる生産体制の構築を推進している。以下のような効果を得られているという。

・対象工程の作業人員:3人→0人
・1日当たりの荷降ろし箱数:5000箱
・作業者が手で持ち上げていた総重量:1日当たり約25t
・年間削減工数:5856時間/年

松田電機工業所は、既存工場の物流動線を大きく変えることなく、特に負荷の大きい混載通い箱の荷降ろし工程を自動化しており、MujinOSを搭載したロボットを既存ラインに組み込むことで、作業負荷の軽減と安定した物流運用を達成している。

Mujinは「投資規模やスペースに制約のある中小製造業にとっても導入しやすい、現実的な物流自動化モデル」と指摘している。

松田電機工業所は今後、入荷から生産、出荷までの物流工程全体の高度化を視野に入れており、Mujinは今回のケースを通じて、従来自動化が難しかった混載・多品種の荷役工程を自動化し、人手不足や属人化といった課題に直面している日本の製造業の競争力強化を支援していく構え。

(藤原秀行)※いずれもMujin提供

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