業界団体には問題行為防止を要請
公正取引委員会と中小企業庁は10月22日、王子ホールディングスグループで段ボールシート・ケースの製造販売などを手掛ける王子コンテナー(東京都中央区銀座)に対し、印刷用器具の「印版」などを委託先の業者に無償で保管させたのは、旧下請法(現中小受託取引適正化法、取適法)で禁じていた「不当な経済上の利益の提供要請の禁止」に該当するとして、再発防止などを勧告した。
中企庁が王子コンテナーに調査し、公取委に対して今年9月、措置請求をしていた。今年1月の取適法施行前の事案のため、旧下請法として判断した。
公取委と中企庁は併せて、全国段ボール工業組合連合会に対し、10月22日付で、業界内で取適法に違反する行為が行われないよう未然防止の徹底などを図ることを要請した。
公取委と中企庁によると、王子コンテナーは遅くとも2024年6月~25年11月、段ボール製造などを委託する個人を含む140の事業者に対し、印版や木型、金型を用いた製品を発注する予定が長期間ないにも関わらず、貸与した印版など計9610個を無償で保管させていた。
王子コンテナーは一部の委託先に対し、保管費用相当分の約341万円を支払ったという。
王子コンテナーは10月22日、「本勧告を厳粛に受け止め、今後の取引において同様の問題が発生することのないよう、本勧告に基づく取締役会決議により、お取引先様の利益を不当に害さないことを確認するとともに、中小受託取引適正化法(旧下請法)遵守のための社内教育の見直しやチェック体制の強化などを実施し、これらの取り組みを全役職員に周知徹底することでコンプライアンスの一層の強化と再発防止に努めてまいります」と謝罪するコメントを発表した。不要となっている印版などは回収・廃棄を進めているという。
製紙業界では段ボール大手の日本トーカンパッケージ(東京都品川区東五反田)も今年3月、製造委託先に印版などを無償で保管させていたのは、下請法(現取適法)で禁じる「不当な経済上の利益の提供要請」に該当するとして、公取委から再発防止の勧告を受けた。
(藤原秀行)







