鴻池グループがベトナム北部で日系企業初の冷凍・冷蔵対応拠点開設へ、全土に定温物流網構築目指す

鴻池グループがベトナム北部で日系企業初の冷凍・冷蔵対応拠点開設へ、全土に定温物流網構築目指す

28年1月稼働開始予定

鴻池運輸は10月27日、グループのベトナム現地法人Anpha-AG Joint Stock Company(アンファAG)が、同国北部のバクニン省で冷凍・冷蔵倉庫を新設すると発表した。

新倉庫は食品や食品原料を主な取扱品にすることを想定しており、冷凍・冷蔵・常温の各保管区画に加え、空調管理区画を備える予定。

2027年6月に着工し、28年1月の稼働開始を計画している。倉庫の運営は現地企業のVINATRNAS(ヴィナトランス)グループとの合弁企業Konoike Vinatrans Logistics(コウノイケ・ヴィナトランス・ロジスティクス、K-Vina)が担う。

鴻池運輸は、ベトナム北部で日系企業が冷凍・冷蔵倉庫を構えるのは初めてと意義を強調している。経済成長が続く同国で冷凍・冷蔵食品や医薬品など、温度管理を必要とする商品の需要が拡大、外食市場の成長も進んでいるのに対応する。

鴻池運輸の渡辺啓太執行役員国際統括本部副本部長は同日、オンラインで開催した報道機関向け説明会で、現行の中継経営計画で、ベトナムとタイで定温倉庫・定温輸送への成長投資を進め、高品質なコールドチェーンを拡充する方針を打ち出している点に言及。「培ってきた定温物流の運営のノウハウをさらに活用し、南北の定温物流の基盤を構築していく戦略を掲げている」と語った。

アンファAGとK-Vinaの代表取締役を務める川瀬康一氏は「ベトナムの定温物流事業は、21年の業績と比較すると180%くらいまで来ているので、さらに伸ばしていきたい」と強調。ベトナム国内のコールドチェーン拡大に向け、トラック輸送の拠点整備なども進める考えを示した。


新拠点の竣工イメージ(鴻池運輸提供)

ベトナム北部ではコンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの出店が進み、高品質な定温物流への需要が高まっているという。その半面、ベトナム北部は冷凍・冷蔵の温度帯に対応可能な倉庫が整備されておらず、温度管理や品質管理に対する信頼性の高い物流サービスが求められている。

鴻池運輸は1993年に日系物流企業で初めてベトナムに進出して以来、30年以上にわたり現地で物流事業を展開している。これまでに培った定温物流の運営ノウハウを活用し、北部で定温物流基盤の整備を進める。

K-Vinaが展開している約2000kmのベトナム南北定温幹線輸送サービス「KONOIKE VINAEXPRESS」(コウノイケ・ヴィナエクスプレスと新倉庫を組み合わせ、南部で集荷した商品を北部で保管し、コンビニやスーパー、レストラン、ホテルなどの店舗・事業所へ配送する一貫したサービスを提供する。

保管・輸送・配送の各機能を連携させ、鴻池グループが培った温度管理・品質管理のノウハウを駆使し、顧客企業の物流効率化と商品供給安定化を後押しする。

今回公表した倉庫建設は、今年7月に稼働を開始したベトナム南部タイニン省のAnpha-AGの新倉庫に続き、ベトナムにおける定温物流機能強化の取り組みの一環。

新倉庫を北部の定温物流拠点として位置付け、南部のAnpha-AGの倉庫とともに、全国的なネットワーク拡充の基盤にする。

鴻池運輸グループは96年5月にベトナム航空と合弁会社を設立し、96年12月には現地のVINATRANSグループとも合弁会社を立ち上げた。2014年6月には現地の冷凍倉庫会社を買収、18年8月に香港の国際航空貨物フォワーディング会社を買収するなど、事業基盤の拡充を図ってきた。

現在はAnpha-AG、K-Vinaなど4社を通じて、ベトナム全土で物流サービスを提供。現状は冷凍・冷蔵で扱っている荷物の9割は現地企業のものだが、今後はベトナムに進出している日系企業の荷物の取り扱いも増やしていくことを目指す。

ベトナム中部のダナン、南部のカントー、北部のハイフォンなどで定温物流機能を整備・拡充し、各地の拠点を段階的に接続して、ベトナム全土にコールドチェーンを構築していくことを想定してる。

新倉庫の概要
所在地:ベトナム北部バクニン省
構造:鉄骨平屋造
延床面積:1万2300㎡
特徴:保管能力1万1600パレット、冷凍・冷蔵・常温の保管区画および空調管理区画を設置
取扱品:食品・食品原料(冷凍食品、冷蔵食品、生鮮品など)
着工:2027年6月(予定)
稼働開始:2028年1月(予定)

(藤原秀行)

物流施設/不動産カテゴリの最新記事