ロボット導入し庫内作業効率化、千葉・市川で成果
大和ハウス工業が米スポーツ用品大手のナイキと先進的な物流センターの展開に向けて2019年に業務提携したことが明らかになった。物流ロボットを導入して庫内作業を効率化することなどを想定している。
両社は既に千葉県市川市でESRが開発した大型物流施設「ESR市川ディストリビューションセンター(DC)」内で、中国の新興ロボットメーカー、GEEK+(ギークプラス)の物流ロボット「EVE」を活用した拠点を運営。通販と店舗向けの両方の商品を扱い、ピッキング業務の効率化などで成果を挙げている。業務提携により結び付きをさらに強め、先進的な物流センターを21年以降、日本国内で順次配置していきたい考えだ。
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ギークプラスのEVE。棚の下にもぐりこんで持ち上げ、作業エリアまで運ぶ
現場のオペレーションに関しては、大和ハウス傘下でEC事業者向けフルフィルメント・サービスを手掛けるアッカ・インターナショナルがメーンで担当。市川のセンターでも同社が物流ロボットの効率的な利用促進などを手掛けている。
EVEは商品を収めた棚の下にもぐりこんで持ち上げ、スタッフが待つ作業スペースまで運ぶ仕組み。AI(人工知能)を駆使し、出荷の頻度が高い人気商品は作業スペースの近くに配置するなど管理効率を自動的に高められるのが強みだ。市川の物流センターには200台超のEVEを導入しており、同規模のセンターより少ないスタッフで業務をこなせることを確認できたという。
大和ハウスはアッカと連携し、物流ロボットで庫内作業を効率化する手法を確立、日本に加えて海外にも提供し、物流施設事業のグローバル展開を加速させることを視野に入れている。
(藤原秀行)