「従来目標の『7対3』にこだわり過ぎず」
大和ハウス工業で物流施設開発事業を手掛けるDプロジェクト室の井上一樹室長は2月3日、都内の東京本社で開いた物流施設事業の開発方針に関する記者発表会の席上、今後もマルチテナント型物流施設の開発を積極的に進める姿勢をあらためて示した。
井上室長は同社が従来示してきた、BTS型施設とマルチテナント型施設の開発割合を7対3程度とする方針に関連し「スピードを重視した入出荷も非常に多いことを考えると、あまり7対3にこだわり過ぎてビジネスチャンスを失うのは逆におかしいのではないか。マルチ型は年間10~15棟程度をコンスタントに開発しているので、延べ床面積ベースでは早晩(BTS型とマルチ型の比率が)逆転することもあり得るのではないか」との見方を示した。
同時に、景気変動に強いとされるBTS型に関しても需要を見極めて開発を継続する姿勢を強調。マルチ型については昨今の需要傾向として、災害の頻発を受けて飲料などを備蓄するニーズが出ていると指摘。大型施設への託児所導入といった独自策を継続する考えを明らかにした。
同室の手塚公英グループ長は、昨年12月末時点で「Dプロジェクト」のBTS型を開発してきた実績が173棟、「DPL」のマルチ型が42棟に上る一方、総延べ床面積ではBTS型が約425万平方メートル、マルチ型が約335万平方メートルに達していると説明。比率が棟数ベースで8対2程度となっている半面、延べ床面積ベースでは55対45程度に近接してきていると解説した。
(藤原秀行)