公取委、送料無料問題で楽天に立ち入り検査

公取委、送料無料問題で楽天に立ち入り検査

「優越的地位の乱用」該当の有無確認

楽天がインターネット通販サイト「楽天市場」で3月18日から新たな送料無料の条件を導入するのに対して一部出店者らが独占禁止法で禁じる「優越的地位の乱用」に該当すると反発している問題で、公正取引委員会は2月10日、同社関係先への立ち入り調査を行った。

同社は楽天市場のユーザーが商品を3980円以上購入すれば一部地域を除いて送料を原則無料と表示する方針を打ち出している。一方、楽天市場に出店している一部事業者らが加盟している任意団体「楽天ユニオン」は今年1月、公取委に調査を要請していた。

公取委は立ち入り調査で送料無料表示が優越的地位の乱用に当たるかどうかを慎重に見極める方針。楽天は公取委の調査へ全面的に協力する姿勢を示す一方、送料無料の実施方針に変わりはないと再三強調している。同社は2月10日、「本施策に関し、法令上の問題はないものと考えているが、今回立ち入り検査を受けた事実を厳粛かつ真摯に受け止め、検査に全面的に協力する」との声明を発表した。

楽天の送料無料方針に対しても、一部出店者が「送料上乗せで値上げになれば売れなくなる」「どの地域に送るのか事前に分からないのに送料をあらかじめ算出して上乗せするのは困難」などと懸念する声が噴出。物流業界でも送料無料のしわ寄せが来ることを懸念する向きがある。半面、送料無料の基準が明確にされるのを歓迎する出店者もいるだけに、公取委は難しい判断を迫られそうだ。

(藤原秀行)

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