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【独自取材】ラサールの私募コアファンド、既存物流施設の稼働率向上も視野

【独自取材】ラサールの私募コアファンド、既存物流施設の稼働率向上も視野

国内外投資家の高い関心を考慮

ラサール不動産投資顧問は2019年11月、米本社のラサール インベストメントマネージメントが組成した日本の不動産を対象とするオープン・エンド型(投資家が運用期間終了前に換金できるタイプ)の私募コアファンド「ラサール・ジャパン・プロパティ・ファンド」の運用を開始した。

スタート時はラサール不動産投資顧問が日本で手掛けてきた先進的な物流施設など6物件をポートフォリオに組み入れており、今後も4大都市圏に位置する物流施設など主要な4アセットの優良物件を適宜取得。資産規模を22年までに2000億円、24年までに3000億円へ拡大させるとの目標を設定している。スタート時は国内の複数の機関投資家が出資しており、今後は国内外で幅広く出資を呼び掛けていく。

世界的に低金利傾向が続いて資産運用が難しさを増す中、規模が大きく安定して成長している日本の不動産市場は国内外の投資家から注目されており、物流施設への注目度も近年は非常に高まっている。ラサールとしても国内外の投資家の期待に応えたい考えだ。

中長期的に安定した収益が得られることを重視するコアファンドだけに、基本的なスタンスとして物流施設と賃貸住宅はそれぞれ資産規模全体の2~3割程度と、最も大きいオフィスビルの3~4割程度に次ぐ位置となるよう配分していく構えだ。


私募コアファンドのファンドマネージャーを務めるラサール不動産投資顧問の森岡亮太執行役員

独自の「DTU」分析で優良資産を選択

ファンドは組成に際し、大手機関投資家などから約600億円のエクイティ出資に関するコミットメントを獲得。オープン・エンド型私募ファンドとしては日本で過去最大規模という。国内の大手金融機関を軸としたシンジケートローンも含めるとスタート時に総額で約1000億円の資産を組み入れている。

投資対象はオフィスビル、物流施設、賃貸住宅、商業施設と設定。4大都市圏で優良な案件を選定する。現状では投資全体の7割程度が関東圏になる見込みだ。ラサールは不動産市場に影響を及ぼす要素として、「Demography=人口動態」「Technology=技術革新」「Urbanization=都市化」の3項目の頭文字を取った「DTU」の動向に注目、投資対象選択でも重視しており、今回のコアファンドでも踏襲していく。先進的な物流施設は「T」(eコマース進展など)の側面から重視すべきアセットと捉えている。

ファンドマネージャーを務めるラサールの森岡亮太執行役員は「当社は日本で先進的な物流施設の開発・投資を先駆的に行ってきており、今回のコアファンドでも“目利き力”を生かせると自負している」と優良案件の組み入れによる投資家への安定した還元継続に強い自信を見せる。同社では実際、これまでにも低稼働率が続いていた大型物流施設を取得した後、ラサールでリーシングを行い、満床を達成したケースもある。

コアファンドも主軸の新規開発物件に加えて、ラサールが立地や機能に優れている既存の物流施設を第三者から購入し、ポートフォリオに組み入れ稼働率を高めて物件自体の価値を向上させることも視野に入れている。都市部を中心に物流施設の大量供給が続く中、入居企業を思うように獲得できていないマルチテナント型の案件も見られるだけに、コアファンドがそうした状況を打破し、物流業界にとってもプラスの存在となっていくことが期待される。

ラサールが海外で展開しているファンドは数千億円規模に達しているものもあり、今回のコアファンドも中長期的に資産規模の成長を目指していく見通しだ。

(藤原秀行)

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