鴻池運輸入居、飲料など重量物取り扱い考慮し低床化や搬送機器充実を実現
野村不動産は3月4日、東京・青梅市で開発を進めてきた自社ブランドの物流施設「Landport(ランドポート)青梅Ⅱ」の完成記念式典を現地で開催した。
同社は旧東芝青梅工場跡地約12万平方メートルで先進的な物流施設を3棟建設する大型プロジェクトを展開しており、「青梅Ⅱ」は2棟目となる。地上3階建て、延べ床面積6万7107平方メートルで、鴻池運輸が1棟借りしている。先に完成した「青梅Ⅰ」は日野自動車がグローバルパーツセンターとして運用しているほか、隣接地で建設中の「青梅Ⅲ」も大手メーカーの利用が内定しているという。
完成した「青梅Ⅱ」の外観
3棟はいずれもターゲットとしているテナント企業の業種特有のオペレーションに対応した施設仕様を施設の一部もしくは全体に盛り込むと同時に、将来のテナント入れ替わりに備えて汎用性も持たせている「カテゴリーマルチ型」として建設。
このほど完成した「青梅Ⅱ」は当初から鴻池運輸と協議しながら、メーンの荷物となる見込みの飲料など重量物を扱いやすくするため、床の耐荷重を一般的な物流施設より強い1平方メートル当たり2トンとしたり、1階を低床化したり、異なるフロア間で荷物の搬送を袁結にできるよう飲料パレット向けの垂直搬送機を充実させたりといった業務効率化のための工夫を凝らしている。
併せて、1階の北側にあるトラックバースはウイングセミトレーラーが入庫できる15・5メートルの奥行きを持たせ、2階に直接アクセス可能なスロープは45フィートコンテナ車に対応している。
野村不動産は今後もエリアで見込まれる需要などを詳細に分析し、有望と見込まれる場合はカテゴリーマルチ型を着実に開発していきたい考えだ。
【独自取材】野村不動産、物流施設の新形態「カテゴリーマルチ型」推進
1階の低床式バース
庫内の分かりやすいサイン
垂直搬送機能が充実
明るい雰囲気のカフェを併設
(藤原秀行)