安全支援装置「モービルアイ」と既存デジタコ組み合わせ
海外の先進機器販売などを手掛けるジャパン・トゥエンティワン(J21、愛知県豊橋市)は4月20日、販売代理店を務めているイスラエルのモービルアイ製造の衝突防止補助システム「Mobileye(モービルアイ)570」と既存のデジタルタコグラフを連携させ、遠隔で新人トラックドライバーを指導できるシステムの無料トライアルを始めると発表した。
モービルアイは車両のフロントガラスに後付け可能なシステムで、カメラが周辺状況を監視し、追突や前の車両との接近、歩行者の接近など5種類の警報を発して事故を未然に防ぐ仕組み。J21は2011年にモービルアイの販売を開始、運輸・運送事業者らを中心に6・5万台以上を出荷してきた。
モービルアイは運転の最中に危険な運転を事前に統一した基準に沿って適宜注意できるため、J21は新人ドライバーに対し、指導員が同乗するのと同様の“遠隔教育”効果が得られると説明。さらに既存のデジタコと組み合わせれば、運行管理者が警報を発した回数や危険を感じた運転の動画といったデータを迅速に取得・分析し、生かしていくことも可能になり、トラック運転の安全教育と事故防止を合わせて促進できると強調している。
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無料トライアルはモービルアイと連携可能なデジタコを既に導入している運送事業者を対象に、10社程度の利用を受け付ける。申し込みの期限は5月29日まで。トライアル期間はモービルアイを取り付けてから1~2カ月程度を見込んでおり、J21はモービルアイの効果測定とデータ解析を含むコンサルティングリポートの作成を予定している。
J21はモービルアイと連携システムを導入したクリーニングのホワイト商会(愛知県豊橋市)の声を紹介。「リアルタイム警報では先輩ドライバーが同乗するのと同様の効果が実現できる。また、個人の運転を客観的に把握することで指導も効率的になり、本格導入後には事故がゼロになるなど成果を挙げている。さらに若い従業員も、警報によって危険性や車幅・車間距離の感覚を自然と身に付けられ、安心して運転ができている」と評価しており、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ドライバー同士の接触を少しでも減らせるというメリットも感じているという。
「Mobileye570」(モービルアイ提供)
(藤原秀行)