乾汽船は「却下求めて対応」と反発
乾汽船は6月10日、筆頭株主の投資会社アルファレオホールディングスが乾汽船の取締役違法行為差し止めの仮処分命令を東京地裁に申し立てたと発表した。同社によれば、申し立ては6月5日付。
乾汽船は5月27日、アルファレオに対し、経営の実態や投資目的に関して全ての乾汽船ステークホルダーが納得できる説明をするよう求める方針を公表。6月19日の定時株主総会で承認を得た上で、アルファレオに要請する意向を示していた。
アルファレオは乾汽船の方針を受け、既に乾汽船取締役会からの質問に回答書を提出しており、十分な情報を提供しているなどと不快感を表明。今回の要請内容が、乾汽船の買収防衛策発動の際に求められる情報とほぼ一致しているが、アルファレオの乾汽船株式保有比率は発動条件に達しておらず「大規模買い付け者」に該当しないなどと主張しており、乾康之社長ら取締役5人(社外含む)が情報提供を要請したり、定時株主総会に情報提供を求めることを諮ったりしないよう申し立てている。
乾汽船はアルファレオの申し立てに対し「全く理由がないものと考えており、当社取締役の見解について真摯に主張・立証し、申し立ての却下を求めて対応する」と反発、真っ向から争う姿勢を鮮明にした。
(藤原秀行)