帝国データ6月意識調査、前月比12・6ポイント上昇し77・8%に
帝国データバンク(TDB)は7月9日、新型コロナウイルスの感染拡大に対する6月の企業意識調査結果を取りまとめた。調査は今年2月から毎月行っており、今回が5回目。
感染症に関して自社の業績に「マイナスの影響がある」と回答した企業は全体の84・5%と高い割合を示したが、前回5月調査時からは1・6ポイント低下し、2カ月続けて下がった。
内訳は、「既にマイナスの影響がある」が66・6%で前回から3・8ポイント上昇、「今後マイナスの影響がある」が17・9%で5・4ポイント低下した。影響が広がり続けていることが浮かび上がったが、TDBは今後マイナスの影響があるとの回答が減った点を踏まえ「先行きに対する不透明感がやや和らいだ様子がうかがえた」との見解を示した。
また、「影響はない」は8・2%で前回から1・7ポイント上がったほか、「プラスの影響がある」が0・2ポイント上昇の3・0%となった。
「マイナスの影響がある」と答えた割合を9業界別に見ると、「運輸・倉庫」が最も多く90・6%で前回から0・9ポイントアップ。「製造業」(87・0%)、「卸売業」(86・3%)、「不動産」(86・2%)、「農林水産」(85・5%)などと続いた。
このうち「既にマイナスの影響がある」の割合は「運輸・倉庫」が77・8%で前回から12・6ポイントも上昇。「不動産」(72・9%)、「製造業」(71・2%)、「農・林・水産業」(71・0%)、「卸売業」(70・7%)といった業界も7割を超えた。運輸・倉庫業でマイナスの影響を受けた度合いが目立っている。
企業からは「無利子の借り入れは出来たが、荷主からの輸送量が増えないと厳しい状況は続く」(一般貨物自動車運送、山形県)といった声が聞かれた。
調査は6月17~30日にかけて全国の2万3681社を対象に実施、47・6%の1万1275社から有効回答を得た。運輸・倉庫業は490社だった。
業績にマイナスの影響があると答えた企業の割合(TDB調査資料より引用)※クリックで拡大
(藤原秀行)
調査結果はコチラから