原則トランク積載や旅客との混載禁止など条件、期間は2年で延長可
国土交通省は9月11日、タクシーが弁当などの飲食物を有償で運ぶことを認めている特例措置を10月1日から恒久的に制度化すると正式発表した。同日、タクシー事業者からの受付を開始した。
特例措置は新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広がり、旅客輸送の需要が激減したことでタクシー事業者の経営が厳しくなったため、国交省が今年4月にスタート。期限は現在、9月末までと設定しており、これまでに約1700社が特例の認可を得ている。
タクシー事業者の新たな収益源となるほか、利用者や飲食店などからも飲食物の宅配サービスを歓迎する声が出ているため、従来は過疎地域のみに認めていたタクシーの荷物輸送を、飲食物に限って全国で恒久的に認める方針を決めた。
国交省は飲食物の配送に関する条件として、原則はトランクに入れられるだけの大きさとするが、夏場に車内の冷房を利かせたり保冷ボックスに入れたりすることなどを条件に座席で運ぶことも認める。
また、
・旅客と混載して同時に運ばない
・重量は車両の乗員定員数に20を掛けたキログラムを上限とする
・個人情報が漏れないよう伝票などを適切に管理する
・運賃はタクシー事業者と飲食店が協議して適切な額に設定する
・許可の期限は2年とし、所定の手続きを行えば延長も可能とする
・管理しているタクシー台数が100以下の事業者は、タクシー事業者として加入すべき任意保険に加え、原則として貨物自動車運送事業に適用される任意保険に加入する
――ことなどを定めている。
（藤原秀行）
