コロナで緊急事態宣言再発令が回復の重しに
帝国データバンク(TDB)が2月3日発表した1月の景気動向調査結果によると、景況感を示す業種別の景気DIは「運輸・倉庫」が30・0で、昨年12月の前回調査から1・5ポイント下がった。前月より悪化したのは2カ月連続。
新型コロナウイルスの感染者増加が続き、政府が緊急事態宣言を再発令したことが景況感回復の重しとなっているようだ。同宣言は10都府県で延長になったこともあり、先行きは依然厳しいとみられる。
全業種ベースの景気DIは、12月から33・9ポイント下がって35・0で、2カ月連続の悪化。TDBは全体の先行きに関し「一時的な後退はみられるものの、春ごろを底として、緩やかに上向いていくとみられる」と前向きな見方を維持した。10業界中、サービスや小売りなど9業界でDIが12月から低下した。
運輸・倉庫業のコメントを見ると、先行きに対しては「ワクチンが普及すれば貨物量は戻る」(利用運送)、「新型コロナウイルスの影響が残ったまま東京五輪が開催となると流通がますます停滞し、影響が長期化する懸念がある」(一般貨物自動車運送)と見方が二分されている。
調査は1月18~31日にインターネット経由で実施、全国の1万1441社が有効回答を寄せた。回答率は48・3%。運輸・倉庫業は4935社が調査に協力した。
(藤原秀行)
資料はコチラから(TDBウェブサイト)