地下には物流専用の道路も、技術の実用化目指す
トヨタ自動車は2月23日、静岡県裾野市で自動運転などの先進技術を導入、実用化を図る巨大な実証都市「Woven City(ウーブン・シティ)」の地鎮祭を実施した。
グループのトヨタ自動車東日本東富士工場跡地約70万平方メートルに人工都市を建設。自動運転車、歩行者、歩行者と個人向けのパーソナルモビリティーがそれぞれ専用で通行する3種類の道を都市内に張り巡らせるほか、地下には物流専用の自動運転車が通る道路を整備する計画。実際の街を使って実証実験を展開し、実用化を加速させたい考え。
ウーブン・シティの開発はトヨタ子会社でソフトウエア開発を担っているウーブン・プラネット・ホールディングス傘下のウーブン・アルファが手掛ける。当初は360人程度、将来はトヨタ従業員を含めた2000人以上が暮らす予定。
トヨタの豊田章男社長は地鎮祭後、「東富士工場のDNA、それはたゆまぬカイゼンの精神であり、自分以外の誰かのために働く『YOU』の視点であり、多様性を受け入れる『ダイバーシティ&インクルージョン』の精神。これらが『人中心の街』、『実証実験の街』、『未完成の街』というウーブン・シティのブレない軸として受け継がれていく」と語った。
自動運転のほか、AI(人工知能)やロボットなども実証実験を行う。トヨタグループ以外の企業や研究者にも広く参加を呼び掛けていく構えだ。
地鎮祭であいさつする豊田社長(トヨタ自動車提供)
(藤原秀行)