警察庁の有識者検討会が中間報告書。他の歩行者や自転車優先も明記
警察庁の「多様な交通主体の交通ルール等の在り方に関する有識者検討会」は4月15日、自動配送ロボットなど次世代の小型モビリティー(移動手段)を対象とした新たな交通ルール制定の中間報告書をまとめた。
自動配送ロボットは最高時速が歩行者の早歩きと同程度の6キロメートル以内の「歩道通行車」に分類し、歩道と路側帯を通行するよう定めるとともに、自動運転時は信号や道路標識に従い横断歩道を通るといった、歩行者と同じ程度の交通ルールを順守することを提案。車体の大きさは電動車いすと同じくらいの長さ120センチメートル、幅70センチメートルを上限とすることなどを打ち出している。
また、歩道や路側帯を通行する際は端に寄るなどして他の歩行者や自転車を優先して通すとともに、サイバーセキュリティー対策を施すことも確保するよう明記した。
検討会は今後、歩道通行車の最高速度を10キロメートルまで引き上げられるかどうかを議論するとともに、自動配送ロボットの通行場所を制限する必要性の有無、車体の安全性を担保する方法、走行させる主体がどこかを事前に把握しておく仕組みなどについても引き続き検討。2021年度中をめどに最終の報告書を策定する。その内容を踏まえて、警察庁が道路交通法の改正に着手する見通し。
日本郵便が昨年10月、東京都内で公道走行のテストを実施した自動配送ロボット(ZMP製)
(藤原秀行)