21年3月期に特別損失674億円計上へ、フォワーディングなどに集中し経営再建図る
日本郵政は4月21日、グループで日本郵政子会社の豪国際物流大手トールホールディングスのエクスプレス事業を、オーストラリアの投資ファンド、アレグロのグループ企業に売却することを決めたと正式発表した。
売却手続きは6月末の完了を見込む。売却額は7800万豪ドル(約7億円)で、日本郵政の2021年3月期の連結決算の中で、日本郵便の決算分で特別損失として674億円を計上する予定。
日本郵政は15年、国際物流強化のためトールを約6200億円で買収したが、業績の不振が続き、17年3月期には約4000億円の損失を計上した。エクスプレス事業はトールがオーストラリアやニュージーランドに構えている物流ネットワークを活用し、陸送や海上輸送、航空貨物などを展開。20年4~12月期の営業損益(EBIT)は8300万豪ドル(約60億円)の赤字にとどまった。
日本郵政は不採算のエクスプレス事業を切り離し、トールの損失を実質的に肩代わりしてフォワーディングやロジスティクスの事業に注力、業績回復を目指す方針。
(藤原秀行)