日本郵船、オンサイト型アンモニア合成システムの東工大発ベンチャーへ出資

日本郵船、オンサイト型アンモニア合成システムの東工大発ベンチャーへ出資

燃料活用を拡大、海運領域の温室効果ガス削減目指す

日本郵船は6月2日、必要な場所で必要な量のアンモニア生産を可能にするオンサイト型アンモニア合成システムの実用化を進めている東京工業大発のベンチャー企業、つばめBHB(東京都中央区築地)へ出資したと発表した。具体的な出資額は開示していない。

アンモニアは、燃焼してもCO2を排出しないため、地球温暖化対策に貢献する次世代燃料として期待されている。また、CO2を排出しないゼロエミッション燃料として注目されているCO2フリー水素を輸送・貯蔵するエネルギーキャリアとしても有望視されている。日本郵便はつばめBHBの技術を生かし、アンモニアをより燃料として使えるようにして海運領域の温室効果ガス排出抑制につなげたい考えだ。

日本郵船はこれまでに、アンモニア燃料タグボートの実用化に向けた共同研究開発、液化アンモニアガス運搬専用船及び浮体式アンモニア貯蔵再ガス化設備の共同研究など、舶用における次世代燃料としてのアンモニアの実用化およびエネルギーチェーンの構築を推進してきた。

つばめBHBは、東工大の細野秀雄栄誉教授が発明したエレクトライド触媒を用い、従来の技術より低温・低圧でアンモニア生産できる技術の確立に取り組んでいる。現在のアンモニア生産は約100年前に生まれた技術「ハーバー・ボッシュ法」を採用しているが、高温・高圧下で水素と窒素を合成するため、大規模設備と多くのエネルギーを要し、CO2を大量に排出することが課題となっている。

細野栄誉教授が開発した「エレクトライド触媒」を用いると低温・低圧環境下で高効率のアンモニア合成が可能となり、設備の小型化、適地適量生産体制の構築につながる。アンモニアの輸送や貯蔵などサプライチェーンに関連したコストや環境負荷の低減にも寄与すると見込んでいる。


(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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