日野自動車のアクセラレータープログラム、健康やストレスに起因する事故防止策提言の損害保険ジャパンがグランプリ獲得

日野自動車のアクセラレータープログラム、健康やストレスに起因する事故防止策提言の損害保険ジャパンがグランプリ獲得

優秀賞はLocationMind、走行履歴データで高度な事業判断可能に

日野自動車は8月19日、物流業務の効率化やサービスレベル向上など社会課題解決に寄与する技術を持つスタートアップ企業が事業創造の内容を競い合うアクセラレータープログラム「HINO ACCELERATOR 2021~HINO DE SAFARI~」の最終選考会をオンラインで公開した。

応募した60社の中から最終選考に進んだ5社がそれぞれプレゼンテーションを実施。審査の結果、自動車事故ゼロを目指すための新技術を提案した損害保険ジャパンがグランプリを獲得した。

同社の提案は「ガンバリ運転ゼロプロジェクト(自動車事故ゼロへ向けて)」と称しており、ドライバーの健康・ストレス状態と車両から取得できる走行履歴といったデータなどを掛け合わせ、健康やストレスに起因する事故防止につなげられるアルゴリズムや仕組みを構築、製品化・サービス化を目指すよう訴えている。

優秀賞は東京大発の位置情報AIに関するベンチャー企業LocationMind(ロケーションマインド)の「日野自動車のVehicle Probeデータを用いたSaaS型事業」に授与。日野自動車が持つ商用車の走行履歴データを活用し、トラックを使う運送事業者やインフラ事業者が高度な事業判断を依拠できるデータ分析を担う構想を示した。

日野自動車は今後、損害保険ジャパンとLocationMindが示した提案の事業化に向け、具体的な検討を始める予定。

このほか、HINO DE SAFARI(日野・デ・サファリ)賞には、以下の3案件が選ばれた。

①合い積みネット/ロジストリング(SAPジャパン、尾張陸運、DNTIの合同チーム)
「合い積みネット/ロジストリング」
トラック運送の「明日の空き容量60%」を見える化し、そこに追加荷物を請けることで「運送業の増収増益と安全な運行管理」「荷主のコストダウン」「CO2削減」などの三方良しを実現するオープンプラットフォーム事業。

②シマント
「次世代Hub & Spokeの戦略ツールTMS for XD(クロスドックオペレーション向け配車システム)」
ハブ&スポーク戦略が加速する中、クロスドック(XD)内オペレーション効率化を可能にするため、車両位置情報を利用した荷物ロケーション機能、伝票と車両の自動割り付け機能を組み合わせたTMS for XD――の2つを提案。

③ユニロボット
「エキスパートナビゲーター共創提案」
運送事業者の労働時間削減に貢献する音声対話型ナビゲーションサービスの共創提案。ユニロボットのコミュニケーションサービス統合プラットフォーム「unirobot cloud」と日野自動車のコネクティッドデータを組み合わせ、ドライバーと運行管理者間のコミュニケーションを一部自動化し業務効率化を目指す。


参加者による記念撮影(日野自動車プレスリリースより引用)

(藤原秀行)

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