県警、「安全運転管理者」配置怠った道交法違反容疑
千葉県八街市で今年6月、下校中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5人が死傷した事故に関し、千葉県警は8月25日、トラックを運転していたドライバーの勤務先が事故を防ぐための「安全運転管理者」を配置していなかったとして、道路交通法違反の疑いで、勤務先の親会社で建設業などを営む「南武」(東京都葛飾区)と同社の代表取締役を書類送検した。
道交法は自社の荷物を運ぶ「白ナンバー」の車両を5台以上使っている事業所などに対し、安全運転管理者を選任、警察に届け出るよう義務付けており、運転前にドライバーを点呼して飲酒などで正常な運転ができない恐れがないか確認することなどを定めている。
事故を起こしたドライバーは子会社の南武運送に所属し、事故現場に近い南武の千葉工場に勤務していたが、同工場には2014年以降、事故が起きるまで安全運転管理者が置かれていなかった疑いが持たれている。
事故を受け、政府は8月に開催した関係閣僚会議で、安全運転管理者を対象の全事業所に配置するようあらためて徹底することを決定した。白ナンバーの車両を自家使用して自らの荷物などを運んでいる事業者に対し、一定の条件を満たした場合にアルコール検知器を用いたドライバーの飲酒検査を義務付ける検討も進めている。
千葉県八街市の事故現場周辺
(藤原秀行)