国内発電最大手JERAも参加、海上輸送最適化など共同検討
出光興産は10月5日、アンモニアの安定供給に向けたサプライチェーン構築の共同検討について、ノルウェーの肥料大手ヤラ・インターナショナル、東京電力フュエル&パワーと中部電力が出資する発電事業者JERAの両社と同日付で覚書を締結したと発表した。
3社は出光興産徳山事業所(山口県周南市)を拠点としたアンモニアの国内物流網構築、同拠点を活用したアンモニアバンカリング(船舶向け燃料)事業および需要開拓、国内向け燃料アンモニアの海上輸送の最適化についての共同検討に着手する。
温室効果ガスの排出を実質的にゼロとする「カーボンニュートラル社会」の実現を目指す動きが世界的に強まる中、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアはクリーンな次世代燃料として期待されている。また、アンモニアは発電用燃料としても注目されており、特に石炭火力発電で石炭と混焼する実証が進められている。
出光は徳山事業所の既設ナフサ分解炉や石炭ボイラーを利用したアンモニアの混焼実証試験を計画。将来はCO2低減策の一つとして徳山事業所近隣に、製造時にCO2を生み出さない「CO2フリー」のアンモニア供給を目指す。
JERAは国内最大の発電事業者として、自社の保有する石炭火力発電所でCO2フリーアンモニアの混焼を目指し、生産にも積極的に取り組んでいる。また、世界最大規模のアンモニア製造者でもあるヤラ・インターナショナルはアンモニアの国際物流を数多く担っており、欧州や豪州でCO2フリーアンモニアの生産プロジェクトを進めている。
(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)