日本郵船、スウェーデン製船舶係留システム普及のコンサルティング契約締結

日本郵船、スウェーデン製船舶係留システム普及のコンサルティング契約締結

荷役の安全性や港の稼働率の向上効果期待

日本郵船とグループの日本海洋科学は10月20日、スウェーデンのポリマーメーカーTrelleborg AB(トレルボルグ)傘下で海洋港湾資材を手掛けるTrelleborg Marine Systems(トレルボルグ・マリンシステムズ)と、同社が開発した港でより安全に船舶を係留できるシステム「DynaMoor」(ダイナムーア)を、ドライバルク船の利用港を中心とした日本国内の各港に普及させるためのコンサルティング契約を締結したと発表した。

船舶は、船側から出される係留索と岸壁に設置されたビットをつなぐことで港に係留されるが、係留中も船体は完全に静止することはなく、海面のうねりや長周期波により動揺が生じる。

また、岸壁の側面には船体との接触による損傷を防ぐためにフェンダーと呼ばれるクッション材が設置されており、係留索とフェンダーがばねとなって船体の動揺が増幅すると、荷役の中断や船舶の港外退避により港の稼働率が低下したり、係留索への荷重負荷が高まって破断したりといった深刻な事故発生の危険性が高まる。

動揺の抑制には係留索に掛かる張力を一定に保つことが有効と考えられてきたが、船舶側で張力を調節することが難しく、陸側での調節には大がかりな設備の導入が必要になることから日本国内では解決が進んでいなかった。さらに近年、船舶の大型化が進み港の安全性や稼働率の一層の向上が望まれる中、船舶の動揺抑制は喫緊の課題となっていた。

この課題解決のため、日本郵船と日本海洋科学は、トレルボルグ・マリンシステムズ社とコンサルティング契約を締結し、同社が開発した荷重調整型係留システム「DynaMoor」の日本国内での普及に取り組む。

「DynaMoor」は、岸壁に取り付けて船舶の係留索を接続し、係留索の張力を電子制御式の油圧ダンパーで調節して一定に保つシステム。小さな専有面積で設置することが可能で、荷役の安全性や港の稼働率の向上、停泊中の船舶を含めたサプライチェーン全体の温室効果ガス排出量削減につながることが期待される。

(画像はプレスリリースより引用)
(ロジビズ・オンライン編集部)

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