寿司製造や水産品卸など手掛ける現地のグループ4社が有効活用、事業成長図る
中小の食品メーカーや販売会社の経営支援を手掛けるヨシムラ・フード・ホールディングス(HD)は12月8日、シンガポールに本拠を置いてグループの海外事業を統括する子会社ヨシムラ・フード・ホールディングス・アジアを通じ、同国で食品工場兼食品用低温倉庫を持つ不動産管理会社Sharikat(シャリカット)を買収すると発表した。
ヨシムラ・フードHDアジアが12月17日付でシャリカットの親会社からシャリカット株式の70%(議決権ベース)を取得。残る30%は親会社が継続して保有した後、3年後の2024年12月17日にヨシムラ・フードHDアジアが追加で取得、完全子会社化する予定。70%分の取得費用は総額で327万6000シンガポールドル(約2億7500万円)を見込む。
ヨシムラ・フードHDアジアはシンガポールで寿司の製造や水産品の卸売などを手掛けるグループ4社を傘下に持つ。シャリカットの工場兼倉庫は同国南西部の工業地帯に位置し、オフィススペースや寮も備えており、延べ床面積は8611平方メートル。ヨシムラ・フードHDアジアのグループ企業も一部を賃借している。
シンガポールは経済成長に伴う冷凍食品の需要増などで低温倉庫の供給が逼迫、賃借料が上昇傾向にある。シャリカットの買収で、ヨシムラ・フードHDアジア傘下の4社が工場兼倉庫を有効活用し、物流の効率化や賃借料の抑制、寿司などの生産能力増強を図る。
ヨシムラ・フードHDアジアは業績を伸ばし、シンガポール証券取引所への上場を目指す。
(藤原秀行)