アスクルと日野、CUBE-LINXが配送業務の実証実験開始で会見
アスクルと日野自動車、日野と関西電力の合弁会社でトラックやバスのEV(電気自動車)導入支援を手掛けるCUBE-LINX(キューブリンクス)の3社は1月19日、日野が今夏の発売を予定している新たな小型EVトラック「日野デュトロZ(ズィー)EV」を使った効率的な運用の実証実験を始めるのに当たり、オンラインで担当者らが記者会見した。
3社はアスクルの拠点に日野のEVを2台配備し、実際に配送業務へ投入した上で、CUBE-LINXが電池の残量に応じた最適な配送ルートを提案するなど、EVを効率的に運用できるようサポートする。
CUBE-LINXの桐明幹社長は会見で、昨年5月の会社発足以来、実際にEV関連サービスを提供するのは今回が初めてになると説明。「効率的な運用で、途中で車両が止まってしまうのではないかとの不安解消につながる。EVでもディーゼル車と同等以上の稼働効率を目指していきたい」と抱負を述べた。
アスクルコーポレート本部コーポレートコミュニケーションの東俊一郎サステナビリティ(環境)部長は「EVを導入する上で経済性は大きな判断(材料)だと思うが、現状の配送現場における日々のオペレーションにどうやって実装していくかが大切。経済性をある程度横に置いて、まずは少しずつでもEVを使うという形でやってきたが、今後は柔軟に考えていきたい」と述べ、日野を含む国内外のメーカーのEV採用に前向きな姿勢を見せた。
併せて、「経験を積むことがものすごく大事。車に合わせたオペレーションを作りながら経験していこうと思う」と語った。
日野の中田茂中長期商品戦略部長は、ラストワンマイル配送に最適化したEV専用のシャーシを開発したことに触れ「お客様の困りごと解決のため、いかに低くするかにこだわり、ワンステップで乗り降りできる超低床を実現した」と報告。
東野和幸BR EV開発推進室チーフエンジニアは「運輸部門の方々がEVを使っていこうと思っていただけるような機会になればいい」と実証実験の効果に期待を表明。実証実験で得られた知見は日野デュトロZ EVの開発に反映させていく姿勢を強調した。
実証実験に用いるEVトラック(日野自動車ウェブサイトより引用)
(藤原秀行)