兼松とNTTデータ、車両走行データ活用した配送先情報案内サービスでドライバーの負荷軽減効果を実証

兼松とNTTデータ、車両走行データ活用した配送先情報案内サービスでドライバーの負荷軽減効果を実証

内閣府プロジェクトの一環、24年の商用化目指す

兼松とグループ会社のデータ・テックは1月24日、NTTデータと連携し、車両の走行データを活用した配送先情報案内サービス「みせナビ」による、配送ドライバーの負担軽減に関する共同実証実験を2022年11月に実施したと発表した。

「みせナビ」はデータ・テックが製造・販売している運行記録計「セイフティレコーダー(SR)」から取得した車両走行データを用いて、配送先ごとに異なる搬送ルール(プロファイル情報)を自動生成し、SRの音声機能でドライバーに通知する。

検証の結果、配送先プロファイル情報を配送先に到着する直前にドライバーへ知らせることで、個別のルールをその都度確認する負担を軽減する効果を確認できたという。

両社は2024年の「みせナビ」商用化を目指し、さらにサービスを精緻化・高度化。トラックドライバーの長時間労働規制が強化される「2024年問題」の解決に貢献していくことを狙う。

コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、商品を運搬してくる搬送車両に対して店舗ごとに「搬入口の場所」「駐車位置」「駐車向き」などのルール(プロファイル情報)が詳細に定められており、ドライバーはその情報に従って搬送する必要がある。

一方で、ドライバーにとって店舗ごとに異なるルールを把握して対応する負担は大きく、間違った対応をした場合、配送先からクレームを受けるなどのリスクを抱えている。配送先にとっても、指示通りの搬送がなされないと買い物客や近隣住民への迷惑となるため、顧客からのクレームや敷地内での事故につながる可能性がある。

物流業者では、各店舗のプロファイル情報は紙ベースや口頭での管理・引き継ぎが主流で、プロファイル情報を自らデータ入力する負担に起因して、データベース化が進んでいないのが課題となっている。

兼松とデータ・テックは、NTTデータとともに、ドライバーと配送先双方の課題を解決するため、SRから取得した過去の走行データを活用して、店舗ごとのプロファイル情報を自動生成し、配送先に近づいた際にSRの音声案内でドライバーに注意喚起する「みせナビ」の開発にこぎ着けた。


みせナビ概要

実証実験は「みせナビ」を組み込んだSRを試験車両に搭載して複数の配送先へ走行、サービスの有効性を検証した。

今回の実証はNTTデータが採択されている、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「自動運転(システムとサービスの拡張)」のうち「自動運転・運転支援に係るアーキテクチャの設計及び構築のための調査研究」の一環として実施した。

実施期間 2022年11月2日~4日
実施場所 大阪府、兵庫県
対象 物流会社

検査項目

プロクラム通りの音声案内の作動状況、サービスの有効性
検証結果 送先プロファイル情報を配送先に到着する直前にドライバーへ知らせることで、個別のルールを都度確認する負担を軽減する効果を確認できた
役割分担

兼松:実証実験の取りまとめ

データ・テック:車両走行データの取得・提供、SRへの組込、サービス検証

NTTデータ:データ処理プログラム開発

今後は店舗ごとに音声案内のタイミングや注意喚起内容の最適化、配送ルートシステムとの連携による誤配送の抑制、特に大型店舗向けに搬入口から駐車場所までの構内ルート案内、走りやすいルート・危険の少ないルート案内など、さらに「みせナビ」を精緻化・高度化していく計画。

(藤原秀行)※写真などはプレスリリースより引用

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